09/07/09 14:21:54 BAVkFvd9
知事選を振り返って（下）
「地方選挙での悪い流れを止める防波堤にならなければとやってきたが、失敗に終わった」。知事選から
一夜明けた６日、会見に臨んだ小楠和男・自民党県連幹事長の表情は疲れ切っていた。
「総選挙の前哨戦」として、党本部は県内で過去に例がないほど総力をあげて、坂本由紀子氏（６０）を
支援した。細田博之幹事長や古賀誠選挙対策委員長が静岡入りし、水面下で支援団体への引き締めや
企業訪問を繰り返し、票固めに奔走した。
県内八つの衆院選挙区ごとに「目標１０万票」「千人集会の実施」とのノルマが出され、国会議員や県議
らは「動員」に追われた。選挙終盤には、細田幹事長本人が県議らの携帯電話を鳴らし、「最後までよろ
しく頼む」と念を入れた。
それでも、県議らの間で「逆風」への不安が収まることはなかった。「やることはやったが、実際どこまで
浸透したのかわからない」。支援を求めた先で「今回は自民党には入れない」とそっけなくされた。街頭
演説の動員数で民主系の川勝氏に勝っていると喜んだが、よく見ると「同じ人が何カ所も動員されていた
だけだった」。
一方、坂本陣営は党派色を薄める戦術に出た。ポスターに「自民党」の文字は入れず、代わりに「県民党」
を名乗った。また、唯一の女性候補であることを強くアピール。野田聖子消費者行政担当相や小池百合子
元防衛相ら女性議員が相次いで応援に駆けつけ、「女性の目線」や「静岡初の女性知事を」と繰り返した。
投開票日に朝日新聞が実施した出口調査では、坂本氏は女性票の４割以上を獲得し、４候補で最も多か
った。だが、無党派層の４割は川勝氏に流れた。前回を１６・５７ポイント上回る６１・０６％の投票率は、同
党の想像をはるかに超えていた。