08/09/26 22:22:39 B8Po3vfo
例えば、憲法改正で条文ごとに国民投票で、直接民主制で決めるとしよう。
あるとき、憲法を改正して、1・2章と3章を入れ替え、
ドイツみたいに1章を一番大事な人権規定、2章以降で国の制度を定めるようにしようと
試みたとしよう。
護憲派と改憲派の微妙なせめぎ合いの結果、1章の天皇の章を人権規定に変える案が
国民投票で可決されたのに、2~3章を人権規定から天皇の規定に変える案が否決されちゃったりしたら、
護憲派も改憲派も予想しなかった、天皇制廃止が発生してしまうことになる。
直接民主制の危うさはこれだと思うな。つまり、直接民主制で細かいことを決めようとすると、
グランドデザインに欠けた、とんでもないものが産まれてしまう可能性があるということだ。
おれっちの実体験として、大学時代にいた合唱団では、3つのステージの曲目を
全員の投票で決めていて、まあ直接民主制なんだけど、
3つのステージのバランスとか、コンセプトとかが上手くはまったケースが少ない。
3つのステージについてそれぞれ投票した結果、3つともヘビー級の曲になったとか、
3つとも楽ちんになったとか、そういう事故がかなりあった。
その点、間接民主制で、かつ議院内閣制のように行政を内閣に委任するシステムだと、
解決策は全部内閣が出す、内閣がバランスの取れた案をとりまとめる、
間接民主制の議会が、内閣の信任/不信任、予算の可否を決めるだけということで、
そういうグランドデザインの欠落は起こりにくくなるね。
難しい事こそ、直接民主制に決定を丸投げするのはものすごく危ない。