08/08/26 15:07:28 iHdsd9jx
>>379
有名なのは1850年のプロイセンの三級選挙法だな。
有権者を直接税の納税金額の総合計で3部に分ける。
第一部は税総額の3分の1に達するまでの納税者、
第二部は税総額の3分の2に達するまでの納税者、
第三部は残る有権者で、各部が選出する選挙人は同数。
一次選挙人(一般有権者)が選出した二次選挙人(住民250名に1人)が議員を選挙する。
当然、高額納税者や大地主の利益を代表するブルジョア政党が有利になる。
ドイツ革命まで続いた(全ドイツの帝国議会は男子普通選挙)。
1873年オーストリア選挙法は身分制議会の残滓が見られ大土地所有者部門、
都市部門(財産資格あり)、商工会議所部門、農村部門(財産資格あり)の
四部門制。96年選挙法で普通選挙の第五部門が設けられたが
四部門の有権者は第五部門でも投票できる2票制。
こちらはもっと露骨に大地主、大資本に有利(1907年男子普通選挙法へ)。
言うまでもないけどこれらは過去、それも前世紀に否定されたもの。
下院選挙は普通・平等・直接・秘密が大原則。
これは国民主権原理と個人の尊重、法の下の平等の要請で
財産・納税・世帯主権などによる選挙資格の何らかの制限は現行憲法の諸原理に反する。
仮に納税による制限選挙が行われるならば、選挙権を有さない国民は憲法上の
すべての国民の義務から解放されると解釈しても良い。
今日では憲法施行前のブータン議会が法的根拠はないけど
戸主による互選が慣行だったはず(まあ上からの民主主義定着への移行期間だな)。
中東ではオマーン以外が女性選挙権なし(これは宗教上の理由だろうね)。
クウェートなどは強い血統による市民権条項(1920年までさかのぼって先祖が
クウェート人であるものが一級市民)で二級市民を排除している。