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外国人労働者受け入れは新自由主義者のわがまま (経済アナリスト 森永 卓郎氏)
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しかし、外国人労働者の受け入れには、私は絶対反対である。
現に、ドイツやフランスをはじめとして、諸外国でも外国人労働者の受け入れは失敗の歴史である
といっていい。
たとえば、ドイツでは1960年代、高度成長のもとでトルコから大量の労働者を受け入れた。
ところが、高度成長が終わり外国人労働者の雇用調整をしようとしたところで、つまずいてしまった。
すでにドイツ国内では労働者たちに二世が誕生。彼らはドイツで生まれ育ち、ドイツ語しか話せず、
本国に返そうにも返すことができない。
そこでドイツが何をやったかというと、トルコに家を建てるための資金を与え、子どもたちには
トルコ語を教えた。そうした莫大なコストをかけて雇用調整をしたのである。
日本で外国人労働者を受け入れても、まず同じことが起きるだろう。
外国人労働者のメリットというのは、雇った企業のみに現れる。
ところが、そのコストは長期間にわたって全国民にはねかえってくるのだ。たとえば、小学校の教育
一つとっても、外国人の生徒がいれば、コストは10倍はかかるだろう。外国人労働者本人も失業を
頻繁に繰り返すことが予想され、失業保険のコストがかかる。
公的な住宅費もかかるし、市役所のパンフレットも各国語で書くためにコストがかかる。
そして、そうしたコストは雇った企業ではなくて、何の関係もない国民にかかってくるのだ。
さらにいけないのは、外国人が入ってくるために、まじめな日本の若者がワリを食うことだ。
その一例が、最近になって外国人の受け入れが検討されている介護士や看護師である。
日本の若者のなかにも、最近では福祉分野で働きたいという、まじめな人がたくさんいる。ところが、
そこに外国人介護士や看護師を受け入れたらどうなるか。起きるのは、外国人の賃金に合わせた
劇的な賃金低下である。これでは、若者ならずとも勤労意欲を失ってしまう。
これが、あらゆる分野で起きたらどうなるだろうか。若者はますます仕事につかなくなり、社会不安
は拡大していくに違いない。