10/03/10 18:13:42 KyHVtMwK0
その2の補足「死刑が存置されていれば凶悪事件は減る」「廃止されれば凶悪事件が増える」
実際には大衆の一部に以下のような心理メカニズムが働くため、彼らの態度がより排他的で横柄かつ一時の感情に流されがちになり、結果として差別的言動が横行して揉め事や争いが増え、凶悪事件が増える
A.「存置されているためちょっとした刺激ではさすがのキチガイも一線を越える可能性があるから、挑発しても大丈夫だろう」
B.「万が一自分が殺されても国家が復讐してくれる」
C.「国家ですら死刑を認めているのだから、社会不適合者に生きる資格はない」
D.「大事件を起こして死刑になったら、自分の名前が歴史に残る。生きることからも解放される」
逆に廃止されている場合は以下のような心理メカニズムが働くため、人々の言動がより慎重になり態度が軟化し、結果として差別的言動が抑えられ揉め事や争いが減り、凶悪事件が減る
a.「廃止されているためちょっとした刺激でキチガイが一線を越える可能性があるから、なるべく挑発しないようにしよう」
b.「万が一自分が殺されても国家が復讐してくれないので死に損」
c.「国家ですら死刑を認めていないのだから、社会不適合者にも生きる資格はある」
d.「大事件を起こして一時的に世間を騒がしても一生独房に閉じ込められ自由を奪われる」
その3「廃止すれば、三食屋根付き医療費無料の刑務所に入る為に殺人をする者が現れる」
越冬や堕胎を目的とした常習犯は実在するが、刑務所に入るのが目的なら窃盗や傷害等軽犯罪で可能。医療費無料も生活保護を受ければ実現でき、入所の為だけにわざわざ危険を冒して殺人する者はいない
本人の意思に反して無理矢理出所させる制度でない限り、「何度も窃盗する手間を省く為の殺人」もあり得ない
ホームレスによる犯罪を防止したいならまずホームレスやホームレス支援者への支援を手厚くすべきである。それをせずして「死刑を存置すべき」と主張するのは論理の飛躍
その4「廃止すれば被害者やその家族の気持ちが収まらない」「死刑を廃止すれば憎悪を募らせた遺族による復讐・私刑執行者が増える」
その執行者を捕らえるまでである。「思い通りに加害者が死刑にならないのなら自ら手を下す」という発想は殺人犯と何ら変わらない。また既に殺人犯の殆どが死刑にならない現状にあっては杞憂。遺族側の被害感情に十分配慮した裁判を行うことで対応可能である
その5「犯人が死刑されてやっと前向きに生きられる人もいる」「遺族が犯人を死刑にしたがるのは自然な感情」
憎い相手の死を願うのは殺人犯の異常心理にも通じており、同情こそすれ肯定はできない。憎しみは自然であっても必然ではなく、死刑にしたがらない/生きて償って欲しいと願う遺族もいる
対話を重ねることで囚人が更生し遺族共々心のケアを図れたケースもあり、死刑はその可能性を奪うことにもなる
その6「死刑にしなければいつ再犯するか分からない」「死刑にすれば100%再犯することはない」
分からないなら安易に釈放しないように制度を改めればよい。死刑が再犯防止の唯一策ではない。また、死刑にすれば「悔い改め更生すること」「生きて償うこと」も100%できなくなる。この手の主張は未然防止策に対する怠慢の表れに過ぎない
その7「死ぬまで凶悪犯の面倒を見るのは税金の無駄」「死刑に処するのが国家の責任」
寧ろ更生するか死ぬまで凶悪犯の面倒を見るのが、国家の責任である。死刑は、凶悪事件を未然防止できなかった国家による「臭いモノに蓋」式の責任逃れに他ならない
凶悪犯はある意味、殺人を犯さなければならないほどの不幸を背負い込み精神を病んだ哀れな被害者である。犯行に至るほどの状況に陥る前にこの一次被害者を救えていれば、二次被害者は生じない
一次被害者を救わず二次被害者のみを救おうとするのは偽善的自己満足に過ぎない。このことは凶悪犯に限らない
その7の補足「加害者は被害者の基本的人権の大根幹である人命を侵害したのだから、同じく加害者の人命を国家が侵害するべき。それをしないことは被害者の人命を蔑ろにしているに等しい]
加害者が人命侵害という愚を犯したからと言って、同じ愚を国家(有権者)が犯して良いという理屈にはならない
そもそも罪を犯した以上どう転んでも「加害者の命は被害者の命よりも価値がない」のだから、今更加害者の人命を奪ったところで償いにならない。「加害者の人命を奪えば被害者の人命がチャラになる」「犯人を殺せば一件落着」という発想こそ、被害者の人命を冒涜している
続く