07/10/03 20:05:15 GaFCWcc70
>>289読んで思い出したが、厳密に言えば、裁判長が求刑を上回る判決を
下す事は「検察＝国家権力」から被告を守る裁判所本来の役割としては
逸脱している事になる（と思う） 無論、世間へのアピールという点で
今回の判決は効果的だったし、俺自身「徒労」（>>287）なんて揶揄したが、
これも公判期間が延びれば注目を浴びる期間も延びる訳だから、
その意味でも「杉田さんGJ」なのは確かではあるが･･･
「痛快！憲法学」
（小室直樹／集英社インターナショナル／2001年4月29日第1版第1刷発行）
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第2章◆誰のために憲法はある
p.24●「遠山の金さん」は暗黒裁判をしていた！？
～日本人というのは、裁判を「真実を明らかにする場」と考えています。裁判
にかければ、どんな悪事も暴かれて、真実が満天下に暴露されると純情にも
信じています。しかし、それは近代裁判では通用しない。そもそも近代裁判
では「真実の探求」なんて、本来の目的では無いのです。極論すれば、真実
なんてどうだっていい。事件の真相等、知る必要は無い！～遠山の金さんは、
物語の主人公だから悪い事はしない。～という訳ですが、実際はそんな立派な
人はいません。若し、極悪非道な金さんがいて、何の罪も無い無実の人を
片っ端から逮捕･告訴して、おまけに裁いてしまったら、どうなりますか。
これこそ暗黒裁判中の暗黒裁判。～所が日本人は、余程「お上（かみ）」を
尊敬していると見えて、今でも検察官は悪を追求する善玉だと信じて疑わない。
遠山の金さんと検察官は一緒だと思っている。
近代裁判と時代劇とでは、その前提が180度違います。時代劇では、遠山の金
さんも銭形平次も根っからの正義漢で、間違った事は1つもしない事になって
いますが、近代の裁判では要するに「検察官や刑事にろくな奴はいない。
国家権力を背中にしょっている連中は何をしでかすか分からない」と
考えるのです。～誤認逮捕等はしょっちゅう行われているに違い無いと考える
のが、近代裁判なのです。言うなれば検察＝性悪説が近代刑事裁判の大前提。
国家は非常に強大な権力を持っているのですから、その権力の横暴から
被告を守らなければならないという訳です。