08/09/08 22:00:19
業界で企業再編が相次ぎ、販売合戦が熾烈化する医療機器メーカーや製薬会社。警視庁が先月、
国立身体障害者リハビリテーションセンター病院(埼玉県所沢市)をめぐる汚職事件を摘発し、
医師と業者との癒着の一端が明らかになったが、人の命を預かり、高い倫理が求められる
医療現場は、一方で商売っ気むき出しの企業倫理に常にさらされている現実もある。
不正の温床となっている接待攻勢などの生々しい実態が、関係者の証言から浮き彫りになった。
「公立病院の医師相手に金額が大きかったときは一晩で10万円。食事のあとキャバクラを2軒はしごした」
こう証言するのは製薬会社で医療情報担当者(MR)の経験を持つ30代男性。彼は信越地方の中核都市にある
支店に配属され、病院回りを担当。「接待相手の医師は病院でも力を持った人なので、安い所には
連れて行けない」と、1人2万円は下らない高級料亭などが選ばれた。
(中略)
過激な接待攻勢は過去に何回も社会の激しい批判を浴びてきた。平成3年には、医療現場へのリベート支給を
禁止するための独占禁止法改正も行われている。企業側も倫理指針を作成するなど努力する一方で、医療機関が
個別訪問を禁止する例も増えている。
だが、合併・買収が相次ぐなど、食うか食われるかの激しい競争をしている製薬・医療機器メーカー。
今回の事件の摘発のあとも医療現場からは…。
「講演や原稿執筆を依頼し、その報酬として現金を渡すことにしている」(医療機器メーカー社員)
「昆虫好き医師が『カブトムシが欲しい』というから採りにいった」(MR)
「職場の忘年会や花見は機器メーカーや製薬会社がセットしてくれる」(東京都内の民間病院医師)
「学会発表で使う何万円ものスライドを医療機器メーカーが用意し、学会への旅費も出したことがある」(埼玉県の民間病院医師)
「医師側が納入の見返りを求めることもある」
(後略)
*+*+ 産経ニュース 2008/09/02[01:57] +*+*