08/02/17 00:13:31
生かせるか? 外資の日本法人買収
2月14日19時11分配信 医療介護情報CBニュース
バイオ医薬品世界最大手のアムジェン日本法人の売却が今月4日に発表された。買い手は国内製薬最大手の
武田薬品で、同社は抗がん剤など13品目のライセンスとともに、出遅れ気味だったバイオ医薬品の開発パイプ
ラインと国内開発インフラを一挙に手中に収めた格好だ。もっとも、今回の買収が武田のパイプラインと開発基盤
を補完する起爆剤となるのかは未知数である。
というのも、13品目のうち、抗がん剤「モテサニブ」のみ全世界でのアムジェンとの共同開発・販売権を獲得できるが、
国内申請中の抗がん剤「パニツムマブ」(海外製品名=ベクティビックス)を含め、残り12品目のライセンスは日本
国内に限定されているからだ。半数は海外でフェーズ2以降の開発段階にあるものの、12品目全ての開発が成功
する保証は、もちろんどこにもない。
そもそも、昨年に日本でも「ネスプ」の製品名で発売された「ダルベポエチンアルファ」(同=アラネスプ)、「ペグフィル
グラスチム」(同=ニューラスタ)といったブロックバスター製品は、キリンファーマが国内ライセンスを取得済み。
昨年7月には、やはり大型化が期待される「デノスマブ」も第一三共が国内導入している。4日の買収発表が低迷
する武田の株価が浮揚するきっかけとならなかったのも、導入した12品目の将来性が投資家に伝わらなかったこと
と無縁ではない。
加えて、日本での上市に最も近いベクティビックスに関して言えば、昨年6月に発売された競合品である中外製薬の
「アバスチン」は、海外価格の7割程度しか薬価が付かなかった。国内限定のライセンスでは、全例調査をはじめ
最近の厳しい市販後調査コストを考えても短期的な収益性は望めそうもない。
では、将来投資として考えるなら、パイプラインと同時に手に入れたアムジェン日本法人の開発人員をどう生かすのか
―。マネジメントを誤れば、900億円にも及ぶ導入費用ともども、人件費も丸ごとコストとなって、来期以降の武田の
業績を直撃することになる。 ⇒といっても4000奥で買ったMGIよりは負担は軽いでしょう