09/04/05 00:17:00
ウイルスを使ったバッテリー、MITが開発
URLリンク(www.itmedia.co.jp)
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、遺伝子操作したウイルスを使ったバッテリーを開発した。
このバッテリーは、ハイブリッドプラグインカーで使われる最新の充電式バッテリーと同程度の容量と
性能だとMITの研究チームのアンジェラ・ベルチャー氏は述べている。個人向けの電子機器にも
使えるかもしれないという。
従来のリチウムイオンバッテリーでは陽極(酸化コバルトかリン酸鉄リチウム)と陰極(黒鉛)の間を
リチウムイオンが流れる。MITのバッテリーは、ウイルスを遺伝子操作してリン酸鉄でコーティングし、
カーボンナノチューブで配線することで、ウイルスを電極として使用するという。使用するウイルスは
一般的なバクテリオファージで、バクテリアには感染するが、人間には害はない。
実験では、プロトタイプは少なくとも100回、容量の低下なく充放電できたという。現行の
リチウムイオンバッテリーの充電サイクルよりも少ないが、「もっと長持ちするようにできると思う」
とベルチャー氏は言う。
同氏らは、このバッテリーは、室温かそれ以下の温度で合成でき、有害な有機溶剤は不要なので、
環境に影響を与えずに安く製造できるだろうとしている。また非常に軽量で、容器の形に合わせた
柔軟なバッテリーが実現可能だとしている。
今後の取り組みとしては、リン酸マンガンやリン酸ニッケルなど、電圧や容量の高い素材を使って、
もっと高性能のバッテリーを目指すという。次世代バッテリーが完成したら、商品化が可能になるかも
しれないと同氏は述べている。
この研究は4月2日にオンライン版Scienceに掲載された。