09/03/19 09:00:09
源泉温度が日本一高く、湯量が豊富な雲仙市の小浜温泉。県環境保健研究センター(大村市)は今年度から、温泉の熱
を利用して、使用済み天ぷら油などの廃食用油からバイオディーゼル燃料(BDF)を製造する研究を進めている。取り
組みと課題を追った。
研究期間は今年度から3年間。県立島原工高、島原農高(ともに島原市)、長崎総合科学大(長崎市)などと協力し、
温泉を利用したBDF製造技術の確立とともに、廃食用油を回収し、BDFとして地域内で使用する循環型社会システム
の構築を目指す。
センターによると、BDFを作る方法はいくつかあるが、実用化され、安価に製造できるのは、廃食用油にメタノール
と触媒を加える「アルカリ触媒法」。この方法では、廃食用油を60度に温めるなどの加熱が必要で、一般的に電気が使
われているという。
センターは源泉温度が105度と高く、1日1万5000トンの湯量を誇る同温泉に着目。余った湯は風呂などで利用
されずに放流されており、研究ではこの湯を利用する。センター主任研究員の竹野大志さんは「温泉の活用は、電気より
環境負荷が少なく、低コストのBDF製造が期待できる」と強調する。
昨年4月から、電熱式のBDF製造装置で実験を行い、温泉を利用した場合の問題点を検証。新たに温泉を内部に循環
させる実験装置を製作した。日量180リットルのBDF製造能力があり、源泉がある小浜町歴史資料館の敷地内に設置、
19日から本格的な実験を始める。
小浜温泉でバイオ燃料 余った湯の熱使う 安く、環境負荷かけず
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