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>>115(の続き)
発電方式別の発電コスト比較グラフ
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
“プレハブ建設”も可能に
ビームダウン式の太陽熱発電システムは、これまでに実用化されている他方式の弱点を解決したものだ。
商業運転で先行したのは、「トラフ型」と「タワートップ型」だった。それぞれ、光の集め方が異なっている。
トラフ型は、"雨どい"のような形をした反射板と、その中央に通した集熱管で構成される。集熱管に
集めた光で中の工業用オイルを熱し、蒸気タービンまで運ぶ。1985年に米国で稼働した354メガワットの
プラントがある。
この方式は建設コストが比較的安い。その代わり最高温度は400度程度が限界だった。温度が低くなると
集めた熱エネルギーの利用効率が落ちる。
タワートップ型は90年代の後半に初の実証プラントが建設された。高さ百数十メートルのタワーの上に
集熱レシーバーを取りつけ、地上のヘリオスタットで太陽光を集める。現在、スペインで建設が進んでいる
プラントは、タワーの高さが120メートル、発電能力が約15メガワットだ。
広範囲の太陽光を一点に集中させるタワートップ型は、温度が1000度近くなるので熱効率が高い。
しかし、熱を運ぶ溶融塩をタワーの上まで押し上げるポンプでエネルギーをロスするうえ、上空の強風で
集熱レシーバーの温度が下がりやすい難点があった。
玉浦教授の考案したビームダウン式は、タワートップ型の改良版と言える。1回反射させた太陽光を上空で
再び反射させることで、地上に集熱レシーバーを置けるようにしたからだ。溶融塩を押し上げるエネルギーが
不要で、風の影響も受けにくくなった。
細部にも改良を加えた。これまでヘリオスタットは縦横の長さが10メートルを超えることが多かった。
大きいほど多くの太陽光を反射できるという考えからだ。しかし半面、風の影響を受けて反射角に誤差を
生じやすかった。そこで、玉浦教授は鏡を細かく切って低い位置に並べる構造を採用した。小型化されたため、
工場でフレームに鏡を取りつけてから現地に運び込める。これは建設コストの低減にもつながる。