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>>106(からの続き)
嬬恋村が石津地区での建設計画を打ち出すのは、今回が初めてではない。1981年に初めて浮上し、
97年に再び検討された。石津地区が草津温泉の最大の源泉「万代鉱」から3.5kmしか離れていない
こともあり、いずれも草津町の強固な反対で断念している。中澤町長は、こう言って嬬恋村の計画を
切り捨てる。
「また反対されると思って調査だけでもひっそりやろうとしたのだろう。だが、たとえ調査でも
井戸を掘らせるわけにはいかない」
嬬恋村の地熱発電所建設計画地
URLリンク(eco.nikkeibp.co.jp)
草津町が建設はおろか、掘削調査すら認めないのは、多少の掘削でも源泉に多大な影響が及ぶとみ
ているからだ。地熱発電は地下深く、マグマによって熱せられた貯留層と呼ぶ熱水だまりに向かって
井戸を掘り、くみ上げた熱水と蒸気を使ってタービンを回し発電する。
「草津のような自噴泉は、地下の水位の変動をもろに受ける。だからこそ草津町では温泉の掘削は
一切禁止している」(黒岩議長)。町の景観条例でも源泉保護をうたい、建築物の基礎工事の掘削も
ほかの方法に切り替えてもらう徹底ぶりだ。
温泉研究の第一人者である中央温泉研究所(東京都豊島区)の甘露寺泰雄所長は、「温泉も地熱も
同じ水循環のなかにあるので、影響する懸念がある。反対も無理はない」と話す。
加えて、草津町は雇用の約9割を観光で賄う。「影響が出て法的手段を取ったとしても、地熱発電所
の影響を我々が立証するのはほぼ不可能だ」(黒岩議長)
嬬恋村の計画を知ってからの草津町の動きは素早かった。すぐさま議会で反対決議を採択し、5月に
八丁原地熱発電所、6月に岩手県の松川および葛根田地熱発電所を視察した。