09/02/09 09:30:48
東松山競売入札妨害 市職員らに有罪判決
さいたま地裁「入札の根幹揺るがす」
東松山市発注の浄化センター維持管理などの委託業務をめぐる
入札予定価格漏えい事件で、競売入札妨害の罪に問われた、
同市みどり公園課副主幹高荷修男被告(52)、日本ヘルス工業
(東京都新宿区)元埼玉オフィス事業部長篠崎嗣彦被告(53)、
元同部課長代理矢沢弘也被告(46)の判決公判が二十二日、
さいたま地裁であった。
若園敦雄裁判長は「入札制度の根幹を揺るがす不正な行為で悪質。
市に余計な出費をさせ、結局は市民に負担させた」と、高荷、篠崎両被告に
懲役十月(求刑同一年)、矢沢被告に同八月(同十月)=それぞれ執行猶予
三年=の有罪判決を言い渡した。
判決理由で若園裁判長は、事件の背景には業務の指名競争入札に応札した
業者間で談合して入札額を調整するシステムが成立していたと指摘。
「日本ヘルス工業が実質的に無競争で業務を最低額で受注できることを
当然の前提としていた」と述べた。
その上で同裁判長は、当時の下水道課浄化センター係長だった高荷被告に
対し、「市民のための公務員として適切に職務を執行すべき立場であった
のに、日本ヘルス工業の利益になる行為を行い、強い非難に値する」と指摘。二〇〇二年度以降、漏えいを繰り返したことに「刑事責任を軽視できず、罰金刑が相当とは認められない」とした。
篠崎、矢沢両被告に対しては「いずれも違法性を十分認識しながら、
会社の利益を優先した。二人とも積極的に高荷被告から予定価格を聞き
出そうとした」と、同じく懲役刑が相当だとした。
判決によると、高荷被告らは〇六年三月十四日に行う市発注の
浄化センターと汚泥コンポスト施設の維持管理業務の入札で、
日本ヘルス工業に落札させようと計画。同八日、東松山市山崎町の
市野川浄化センターで、高荷被告が矢沢被告に入札予定価格を教え、
同社にほぼ同価格通りの計約二億四千万円で落札させた。