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石原産業:9件不正、社長が発表 放射線汚泥搬出、ホスゲン製造 /三重
5月15日13時1分配信 毎日新聞
土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不法投棄事件で問題になった大手化学メーカー「石原産業」(大阪市)は14日、
同社四日市工場(四日市市)で放射線量率の自主管理基準値を超えた産廃汚泥「アイアンクレー」を四日市市内の産業廃棄物処分場に搬出し、虚偽の測定結果を国や県に報告していたことなど、計9件の不正行為を発表した。
織田健造社長が県庁で会見して明らかにした。国内で勤務する全従業員約1600人を対象にした調査などで判明したという。
アイアンクレーは同社の主力製品である酸化チタンの製造過程で生じる汚泥。フェロシルトの生産期間とほぼ同時期の98年から04年にかけての測定で、恒常的に放射線量率が基準値の3倍近い値になっていた。
その間に約33万トンのアイアンクレーを搬出したが、うち3分の1は基準値を超えていたという。県は「処分場の敷地境界では基準値を超えておらず、健康被害の心配はないが、許されない行為だ」としている。
また化学兵器にも使われる可能性がある毒性の強い気体「ホスゲン」の製造設備を04年9月に工場に建設、2年間で170トン余りを生産したが、虚偽の届け出を行って製造を隠していたことも判明した。
ホスゲンは施設設置や30トン以上製造する場合に、化学兵器禁止法などに基づく関係機関への届け出が必要。しかし同社は「一酸化炭素と塩素の混合機」などと記載し、ホスゲンの製造設備であることを明示していなかった。
設備は06年10月以降は稼働を停止しているという。【田中功一】
〔伊賀版〕5月15日朝刊 最終更新:5月15日13時1分