09/08/10 17:29:15
三菱ケミ、三菱レイヨン買収/化学初3兆円企業へ
8月10日10時31分配信 産経新聞
総合化学最大手の三菱ケミカルホールディングスが合繊大手の三菱レイヨンを買収する方向で調整していることが10日、分かった。年内の最終合意を目指している。
世界の化学業界では、汎用の石油化学製品事業で中東や中国など新興国勢が台頭しており、業界の垣根を超えた再編で競争力を強化するのが狙い。
実現すれば、国内化学業界では初めて売り上げ規模が3兆円を上回る企業が誕生することになる。
両社は来春をめどに、三菱ケミカルが株式公開買い付け(TOB)を実施して、三菱レイヨンを完全子会社する方向で調整しているもよう。
買収規模は1500億~2000億円になるとみられ、三菱レイヨン株は上場廃止になる見通しだ。
三菱ケミカルは総合化学の三菱化学、樹脂加工を手掛ける三菱樹脂、医薬品の田辺三菱製薬の3社を傘下に置く持ち株会社で、平成21年3月期の連結売上高は2兆9090億円。
三菱レイヨンは5月に、英化学大手ルーサイト・インターナショナルを買収して液晶パネルなどに使うアクリル樹脂原料のシェア(市場占有率)が世界首位となるなど高機能素材事業に強みを持つ。
21年3月期の連結売上高は3450億円。
三菱ケミカルは今回の買収で、新興国勢の安値攻勢で競争力の低下している汎用の石化製品事業から脱却し、成長分野の高機能素材事業を強化したい考え。
国内化学業界では、13年ぶりの大型再編となる。