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骨粗鬆症治療に光 阪大で骨の破壊抑える画期的治療法発見
2月9日12時56分配信 産経新聞
骨粗しょう症や関節リウマチの原因となる細胞の働きを解明し、マウスの骨の破壊を食い止めることに、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの石井優准教授らが成功した。
英科学誌ネイチャー電子版に9日、発表した。
骨は常に新陳代謝を繰り返しており、破骨細胞と呼ばれる細胞が古い骨を壊している。
骨がぼろぼろになる骨粗しょう症や関節リウマチのほか、がんが骨に転移する際は、破骨細胞の働きが強くなることが知られている。
だが、破骨細胞が実際に骨の中でどのように働いているかはこれまで明らかになっていなかった。
石井准教授らは、アメリカ国立衛生学研究所との共同研究で、特殊な顕微鏡を使い、世界で初めて生きたまま骨の内部を観察することに成功。
破骨細胞の動きが、血中に流れる脂質の一種「スフィンゴシン1リン酸(S1P)」という物質により調節されていることを発見した。
また、石井准教授らはS1Pに構造が似ている化合物を使い、骨粗しょう症の状態にしたマウスの骨の破壊を6割軽減することに成功した。
石井准教授は、この治療法で骨の破壊の進行を止めるだけではなく、骨密度の修復も期待できるとし、骨が破壊される病気への根本的な治療法につながるという。
石井准教授は「新たな骨の治療薬の開発につながる成果。早く臨床応用していきたい」と話している。