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<アルツハイマー病>記憶障害改善にマウスで成功 理研など
8月21日11時20分配信 毎日新聞
アルツハイマー病によって起きる記憶障害の仕組みを明らかにし、改善させることに、理化学研究所などの研究チームがマウスを使った動物実験で成功した。
アルツハイマー病の新たな治療法の開発につながる可能性がある。21日付の米科学誌プロス・ワンに発表した。
アルツハイマー病では、神経細胞にベータアミロイドと呼ばれる異常たんぱく質が蓄積する。
研究チームは、このたんぱく質をたまりやすく遺伝子操作したマウスの脳内を詳しく調べた。
その結果、記憶をつかさどる海馬で、刺激の伝達を抑制する神経伝達物質「GABA」の働きが通常のマウスより約3倍も活発になっていた。
このマウスに、GABAの働きを阻害する薬剤を注射したところ、迷路を使った実験で記憶力が改善することが確認された。
吉池裕二・理化学研究所研究員(神経生理学)は「脳が正常に働くには、抑制と興奮のバランスが保たれることが重要。
GABAによる異常な抑制を改善することが、記憶力を取り戻すことに役立つ可能性が示された」と話している。【西川拓】