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【テレビ朝日a-friends 報道ブーメラン 第393号】URLリンク(www.tv-asahi.co.jp)
■02■記者コラム 「ウナギ産地偽装」の衝撃 経済部 記者/村田 卓
ウナギというと、この夏は中国産ウナギの薬品問題が大々的に報じら れて業界は大打撃
を受けました。7月30日の土用の丑の日を前に中国産の蒲焼きがスーパーの店頭から撤去
される騒ぎに発展し、逆に国産品は品不足という、極端な差が出たそうです。そんな騒ぎを
よそに連日大忙しだったのが“偽装ウナギ”なのです。
私は、毎日5トン10トンと大量に台湾産ウナギを輸入している宮崎県の問屋2社に注目し、
ひたすら追跡しました。関西空港に着いた台湾産ウナギが件の問屋の倉庫に消え、数日
後には国産として蒲焼き工場に出荷される様子も目撃しました。
運んでいるのは「活鰻(かつまん)」という、活きたままのウナギです。酸素入りのビニール
パックで運んだり水を打たせたりしながら、ウナギを死なせずに蒲焼き工場まで運ぶ。
“偽装”も時間との勝負。早業です。
この2社とも取材に応じましたが、彼らの話ぶりからは、罪悪感は感じられません。というの
も、ウナギの流通形態は魚市場でセリにかけられることは少なく、(1)輸入商社(2)一次
問屋(3)蒲焼き工場(4)消費地問屋 (5)小売業(スーパー、コンビニ)という、得意先同士で
の流通網が成り立っているからでしょう。
外国産を輸入する側も蒲焼きに加工する側も、 それが最終的に国産として売られることは
暗黙の了解のうち。だから、 自分だけが悪いことをしているという意識が生まれにくいので
しょう。
それに、品質は国産と比べて見劣りしないし、冬から春にかけて国産が品薄になる時に、
消費者のニーズを支えているという、使命感すら持っているほどです。これは決して宮崎の
ローカルなお話ではありません。 2社のうち1社の“偽装ウナギ”は全国展開しているスーパ
ーの店頭に も並んでいます。もちろん「国産」表示で。 (つづく)