10/05/11 23:03:05 srQf9RRx
振り向くと、異国で同郷の人を見つけて嬉しくなり、あたかもつい声をかけてしまいました、といわんばかりの顔をした日本人女性と、スーツ姿でビシッときめたトルコ人男性がいました。
それまで散々トルコ人の客引きを無視してきたのですが、うしろから不意に日本人から声を掛けられ、つい気を緩めてしまいそのまま歩きながら会話をしてしまいました。
ほんの1～2分かな、これまでの旅行の工程の話を訊かれたりして話したあと、今度はこちらから「旅行ですか？」とふると、待ってましたとばかりに
「トルコで店を経営してて」と店を匂わす発言をしてきました。
聴くと「日本のお得意様を宮殿観光に接待した所」らしい。今思えば接待も嘘でカモになりそうな客を物色していただけかもしれません。
そのあと「店がすぐ近くにあるのでお茶でものんでいきませんか？」と誘われました。通常なら遠慮して誘いに乗らないのですが、さすがというべきかもしれません。
最初に工程の話をした時、伏線がはられていて、あ、行ってもいいかも、と思ってしまい、つい店まで行く決断をしてしまいました。
伏線というのは、グランドバザールの話をした際に教えられた情報で、
「トルコでは客にお茶を出してもてなすのが文化です。
日本人はすぐに恐縮したり、何か買わなければいけないのかと考えたりするのですが、全くそんな必要がないんですよ。
逆に飲むと喜ぶんです」
といもの。
伏線というのは単純でもすごく効果的なんだと今となっては感動しています。
この時点ではまだ店が絨毯屋だという事は教えられておらず、まだ気を許したままでした。
ここまでせいぜい4～5分でしょうか、彼女たちは仕事がはやいです。
あとは全くお恥ずかしいのですが、徒歩3分の「sare」までひょこひょことついて行き、地下室にまで入ってしまいました。
そこには一面絨毯が陳列されており、そこでようやく、あ、絨毯屋だったのかと悟りました。