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命を巡る現場から:第1部/2 救命救急 一瞬の判断が命左右 /広島
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深夜、救急隊からの専用回線(ホットライン)が鳴った。広島大学病院にある高度救命救急センター。
患者は胸の痛みを訴えているらしい--。受話器を置いた副部長の山野上敬夫さん(52)は準備を始めた。
張りつめた空気の中で山野上さんは他の医師に指示をしながら、心臓、肺、頭、腹……さまざまな可能性を探り始めた。
同センターは県内5カ所の救命救急センターの一つ。昼夜を問わず365日24時間、交通事故などで重傷を負った人
や心肺停止状態になった人が運び込まれてくる。一瞬の判断が命を左右する厳しい場所だ。
「救急医療は時間勝負。常に優先順位に迫られる」と山野上さんは指摘する。同センターでは常勤の医師7人のほか、
レジデントと呼ばれる3~5年目の医師や消化器科、循環器科などの専門医計15人が中心になって救急患者に対応する。
手術が必要な場合は外科や脳神経外科、整形外科など同院の専門医の協力を得る。
「一般の診察ならじっくり考えればいいが、一瞬の判断が患者の命を奪う」。話を聞く前に処置に入る場合や
治療をしながら診断する場合などさまざま。「患者は痛みや苦しみ、恐怖でパニックになる。僕らがパニックになったら
助からない」。夜間は医師4、5人と看護師9人で24病床と救急患者に対応する。
同センターは山間部や島しょ部で人が倒れたり、災害が起きた際には、ヘリコプターに医師と看護師を乗せて治療する
ドクターヘリ事業の一端も担う。県立広島病院と国立病院機構呉医療センターとの持ち回りで当番を決めて、医師を派遣。
06年7月に中国自動車道で起きた交通事故では、同大病院と県立広島病院から医師らを派遣して、患者2人を救った。(中略)
04年度の広島圏域メディカルコントロール協議会の報告書によると、病院外で心停止した人が社会復帰できるのはわずか2.3%。
100人に2人しか助けられないのが現状だ。
「命より大切なものがあれば医師は必要ない。葛藤もあるし、時には力及ばす救えないこともある。
でも患者が助かればやはりうれしい」(後略)