06/10/13 20:56:57
富野由悠季 (とみのよしゆき)監督 『機動戦士ガンダム』など・・・のお話
--- --- --- ---
僕は、観る人の心の病を喚起するような、
キレる人間を容認するような作品は絶対に作りたくないと思っています。
僕自身もかつては非常にキレやすい人間でしたから、
ここ数年起こっているような忌まわしい事件を起こしてる加害者の気分がすごくよく分かります。
事件が起きた後に周囲の人が「あんなおとなしい子が……信じられない」
なんてよく言いますけど、おとなしい子だからこそやってしまうのですよ。
「アニメを見るな」っていうのは、そういう意味でも言っています。
今、映像作品に携わっている人間が偏ったものを世に出しているから、
そういう気配をもつ子たちの中に眠っていたものを喚起してしまうわけです。
少年犯罪が起きても、事件と作品との関係性をまともに議論する
とヤバいと思っているから、みんなで逃げ回るか、
アーティスティックなレベルに話をすり替えて、勝手なことを言っています。
もう少しニュートラルな言葉で、
映画やアニメは「公共に対して供すべき作品」という言い方をしなくてはいけない
と思います。
ビジュアルのメディアという
、人が安易に見てしまえる作品を世の中に出すというのはかなり怖いことなんです。
だから、自分の趣味指向だけでアニメを作ったり、映画を作るヤツは、許し難いのです。
暴力にしても性描写にしても、映像作品として世に出すには、
極めて節度正しく行われなければならないのです。
だけど、お前のアニメの中にだって暴力が出てくるじゃないかと言われます。
そういう視点が一番怖いのは、ただそこに暴力の絵が映っているだけで、
それさえ隠してしまえばOKとするアバウトさです。
そういう目線こそ、責任回避もいいところで、
一番子どもを可愛がっていない人の言うことだと僕は思います。
URLリンク(plaza.bunka.go.jp)