06/11/20 17:21:10
『度重なる職質 なぜ』
警官に暴行、逮捕の女性
「こういう事件は、酒に酔った粗暴者がやるもの。あなたのような人は考えにくいのだが…」
赤いリボンのブラウスに真新しいグレーの上着とスカート。清楚(せいそ)ないでたちで法廷に立ち、丁寧に質問に答える女性(35)に、裁判官も首をかしげた。
今年八月、職務質問をした警察官につかみかかり、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。
東京都内の会社で電話のオペレーターをしていた。自宅から約十キロの道を一時間以上かけ、自転車で通っていた。
その日は朝から雨模様だった。夕方からの勤務で、いつものようにペダルを踏んでいると、通りがかりの警察官から職務質問を受けた。亡くなった父親の自転車には固定錠はなく、チェーン錠を使っていた。それが“不審”に思われた。
「なぜ私だけ止められるの」。女性はそれまでも通勤途中に数え切れないほどの職務質問を受けた。夜は五日に一度、警察官に呼び止められた。そのせいで会社に遅刻することも多かった。