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4日朝日新聞 東京版
命へ敬意払う教基法の精神 会社員 奈良林稔 (千葉県八千代市 53歳)
教育基本法は、憲法と一体の精神で書かれたものである。それを「押し付け」と称し「自虐的歴史
観」とともに一掃しようという危機的な動きが進んでいる。しかし、憲法や教育基本法を誰が作っ
たとしても、これを読み込むと「立法者の人格」をイメージすることができる。教育基本法には「
個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」とある。「個人の尊厳」を中心
に置いてることは、他人の人格、つまり命へ最大限の敬意を払うということであろう。学校で繰り
返される「いじめ」を許さないことは当然だし、他者の命と尊厳を否定する最たるもの、戦争は絶
対に許さないのだという決意が込められている。憲法九条は、国際紛争においても断じて人が人を
殺すことを許さぬという高い理想が窺(うかが)える。ここにも命をなによりも尊重する「立法者の
人格」が見えてくるのではないか。この「立法者」は、泥沼の戦争に至った歴史を反省し、殺戮の
応酬は決して平和を導くことがないと考える。偏狭な愛国心を超える、この高い理想は、一代の首
相ごときに安易に否定されてしまってはならない教育の基本である。