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12/3 北海道新聞
体に残る「戦争」破片の痛み今も
無職 高橋 広(檜山管内江差町・85歳)
最近、足腰の痛みが激しくなってきたので病院で見てもらった。エックス線写真を撮ると、
骨盤のあたりに大豆粒ほどの黒い影が見つかった。思い当たったのは、六十一年余り前の手りゅう弾事故である。
昭和20年(1945年)8月18日、北千島で旧ソ連軍と戦闘中、停戦命令を受け、武装解除のために集結地に集合した。
寒い日で、たき火をしたが、その中に誤って投げ入れられた自決用の手りゅう弾が爆発、戦友が亡くなったほか、
私も破片がいくつか足に突き刺さった。
その後、体に異常もなく作業を続けていたが、まもなくシベリア抑留となり、3年の重労働に耐えて日本に生還。
社会復帰を果たし、この年齢まで生き永らえた。
体に残っている破片は今更取ることもできないだろう。この状態のまま、激痛を抱えて生きていかなければならない。
そのつらさを思うとき、破壊と殺戮をもたらす戦争という犯罪は二度とあってほしくないと願うばかりだ。