05/02/02 21:36:27 FByV4Bs9
「問題の本質を見誤るな」
矢追 純一郎(ジャーナリスト 53歳 東京都)
私の友人に、スコットランドでネス湖の恐竜の発見をライフワークとしている者が
いる。問題の怪獣が存在する証拠として長らく流布していた写真は、数年前に撮影者
自身の証言で贋物であることが明らかとなったが、それでも友人は諦めていない。
証拠写真が贋物だからといって、恐竜の存在自体までが完全に否定されたことには
ならない。問題は写真の真贋ではなく、怪獣が存在するか否かという真実の究明で
ある。そう力強く語る友人の情熱と決意に深い感銘を受けた。
ところで、日本軍による南京大虐殺の証拠とされる写真を検証していた亜細亜大学
の教授が、入手し得る百枚余の写真に証拠として通用するものは一枚も無かったと
発表した。このことを、南京大虐殺の事実が無かった証拠であると、手前勝手な論理
の摩り替えに利用する不埒な輩が出てくることは目に見えている。だが、検証に従事
した当の大学教授も述べている通り、検証されたのはあくまで写真の真贋であって
虐殺の有無ではない。既に事実は判明しているのだ。
重要なのは、南京大虐殺という厳然たる歴史的事実の存在であり、それに対する
真摯な謝罪と賠償である。ナショナリストの無責任な扇動に乗せられて、くれぐれも
問題の本質を見誤るようなことがあってはならない。