06/09/18 14:53:52
開発許可取り消し
柏市増尾の里山
県開発審査会(加藤英一会長)は、柏市増尾一の里山の開発をめぐり、地元住民十三人が柏市に開発許可の取り消しを求めた審査請求について、
開発許可の取り消しを決定した。県都市計画課によると、開発許可の取り消し決定は県内で初めてという。決定は十三日付。住民らはこの決定を
歓迎し、市側に反省を促している。一方、開発を許可した市では「意外だ」と、困惑が広がった。 (冨江直樹)
問題の里山は、市立土中学校の北側にあり、市は「都市の緑の拠点」として、緑地保全エリアに指定。ところが、地権者が相続の関係で手放す
ことになり、四十三戸の住宅を建てる宅地造成の計画が浮上した。
周辺住民らは、緑地保全の重要性や周辺住宅への浸水の危険性を訴え、市に里山を公有地化するよう求めたが、市は「財政的に無理」として、
今年五月に開発許可を出した。市は宅地造成が行われる里山が市街化区域にあるため「法的に問題がない限り、開発は止められない」としていた。
これに対し、住民十三人が六月、開発許可の取り消しを求めて県開発審査会に審査請求を行った。住民は宅地造成に伴い、里山付近の市街化調
整区域を一部通って開通させる計画の接続道路が、開発区域に含まれないのは都市計画法に反すると主張。さらに、「接続道路から住宅に向かっ
て雨水が流入する」と訴えた。
柏市は「接続道路は開発行為とは別の工事」などと主張したが、開発審査会は「接続道路の整備と開発行為は一体不可分」として、市の主張を
退けた。
住民の西山邦一さん(66)は「普通の市民が感じた矛盾に答えを出してくれた。柏市は(決定を)まちづくりの反省とし、緑とのバランスが
取れた開発を進めてほしい」と話した。
柏市は「事業者が(開発計画の)修正を行った場合は、許可基準に照らして審査し、基準に適合すれば許可する」としており、今後、再び開発
許可が出される可能性がある。
本多晃市長は「市の解釈が誤りとされ意外。今後は行き違いがないよう事務を適正に行うよう努める」とコメントした。
2006.9.16 東京新聞
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