03/04/14 21:38
今の日本はバブルの後の静けさでしょう。冷静に見れば悪くないのに、マイ
ンドだけが下がってる。
ライバル視されてる中国ですが、中国のGNPは為替レートで換算すると、
およそ一兆ドルであり、日本の四兆ドルの四分の一。人口は約一〇倍だから、
一人当たりGNPは四〇分の一。仮に中国経済がすでに日本経済の規模に
到達したと見ても、一人当たりで比較すると日本の約一〇分の一にとどまる。
高度成長のなかで、中国の人々の生活水準は著しく向上し、マイホームや
マイカーを持ち、旅行を楽しみ、一人っ子に大学教育を受けさせようとする
中産階級も続々生まれているが、まだ世帯の一割に満たない。要するに中
国のいまの姿は三〇年前の日本の姿によく似ており、中国経済は日本経済よ
りも三〇年遅れている。
日中貿易を見ると、昨年の日本の中国向け輸出は三一〇億ドル、中国から
の輸入は五八〇億ドル、すなわち二七〇億ドルの入超であり、入超相手国中
のトップである。しかし中国の輸出品の内訳を見ると、輸入部品に小さな付
加価値をつけたものが少なくない。これらは香港経由で輸入されるものが多
いので日中貿易だけではなく、日本・中国・香港の三者を全体として見る必
要がある。日本・香港関係は二一九億ドルの出超だから、中国・香港をまと
めて考えると輸出入はほぼバランスしており、五一億ドルの赤字にとどまる。
中国経済はGNPレベルでも、一人当たりGNPにおいても、日中貿易の構
造から見ても、日本にとって脅威であるとはいいにくい。
日本経済が必要以上に怯えている状態、と言えよう。