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『週刊新潮 2005年6月9日号』
法廷で「池田大作万歳」と唱えた「姪刺殺男」
お題目を唱え、経本を手にした彼が救いを求めたのは、刺殺した姪の魂ではない。
結局のところ、自分自身の救済だけだった―。
02年9月、川村忠(39)は、彼の下から逃げ出した妻との面会を要求し、福岡県二丈町にある妻の実家に立てこもった。
事件は最悪の結末を迎える。彼は妻との面会が叶わないとわかると、人質にした姪(9)=当時=の下腹部に容赦なく包丁を
突き立てたのだ。刃は小腸と腰骨を裂き、背中にまで達した。意識を失う間での20~30分。壮絶な痛みに襲われた姪は、力
み過ぎて、傷口から自分の内蔵を漏出させていた。
5月26日、福岡地裁で開かれた事件の判決公判。川村は、求刑通りの「無期懲役」を言い渡された。
「犯行自体の残忍さに加え、凶悪な性格を剥き出しにしたような公判の様子から、無期で済むのかと言う
声も上がりました」(司法記者)
公判は、司法記者にして「今まで見たこともない」と言わしめるほどだった。
「弁護士を2回解任していますが、弁護士にさえ、法廷内で"貴様、警察
とグルやろうが"と、ののしるのです。遺族が証言台に立つと、"嘘つくな、
コラァ"と暴言を吐き、退廷を命じられることもありました」
混乱が続く公判を避けるために、通常行われる被告人質問も行われず、川
村の"独白"だけが、延々と続いた。妻との馴れ初めからホテルでの様子ま
で、プライベートな話を垂れ流すようなものもあった。
その一方、「仮釈放で出て来るからな」と、脅迫めいた手紙を裁判長に送
りつけている。その数は、判決までに100通を上回った。そして、最終意
見陳述。
「メモを読み上げている最中に、"池田大作万歳"と、突然言い出しまし
た。"被害者の冥福を祈ります"と言った後にも、"南無妙法蓮華経"と唱え
ていました」(同)
判決の日―。川村は、事件を報じた新聞と、経本らしきものを入れた布
袋を持って入廷した。反省の言葉を口にしたことも忘れたのか、裁判長に向
かって、「誤った判断をしとるんじゃ。犯罪者と一緒じゃ!」
と、叫んだ。
こんな男がいずれまた社会に出ると思うと怖ろしい。確かに裁判長は判断
を誤ったのである。