06/04/04 15:18:43 PFknGHla
憂楽帳:脱北者支援
時計は夕方6時を回っていた。「電気をつけていいですか」と言うと、
女性は「暗いですか」とけげんそうにスイッチに手を伸ばした。脱北し帰国した母娘を
東京近郊のアパートで取材した時のことだ。日本では昼間でも室内の電気をつけるのが
当たり前だが、北朝鮮では勝手が違ったようだ。
母親は帰還事業で四十数年前に北朝鮮に渡った。現地生まれの30代の娘は
「『バックします』と車が話す」「犬が服を着ている」と日本に来た時の驚きを素直に話して
くれた。気になったのは、帰国後1年たつのに娘が日本語を話せず働いていないことだった。
脱北者の話題は北朝鮮での暮らしなどに目が行き、帰国後の生活に焦点が当てられることは
少ない。だが、言葉や習慣の違いで職に就けず、母娘同様に多くは生活保護で暮らしているの
が実態だ。
NGO「脱北帰国者支援機構」は13日から脱北者の自立支援のボランティア養成講座を
始める。日本語や社会制度などを教え、日本での生活を支援するプロを育てるのが狙いだ。
希望者は電話03・5214・3939。【照山哲史】
毎日新聞 2006年4月3日 東京夕刊
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