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「闇に消えた怪人-グリコ・森永事件の真相-(一橋文哉著・新潮文庫)」
第八章 禁忌
-奇妙な接点/-黒い日韓ルート/-イトマン事件/-コリアン・コネクション
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ある警察幹部は、私にこう呟いた。
「グリコ・森永事件の数年後、信頼できる筋から『キツネ目の男を韓国で目撃
した』との情報が流れたことがあったんだ。その情報は男の具体名まで上げ、
詳細を極めていた。また、わしらがマークしていた容疑者の中にも事件後、
頻繁に韓国に渡っているのがおる。これだけ探しても、犯人グループが誰一
人見つからないんだから、韓国逃亡説やKCIA関与説も、まんざら捨てたもん
じゃない」
ところが、第一線の捜査員からは、こんな非難の声が漏れてきた。
「上層部はほんまに、そんなのんきなことを言っとんのかいな。わしらは皆、
大変なんやでえ。韓国ルートを調べるいうたって、末端のヤクザや右翼は
どんどん引っ張って叩けるけど、上に伸びるに従って、いろんな圧力が
かかってくるんや。何しろ、日韓両国間には政財界をはじめ、偉い人が大勢
絡んでいる。簡単に言うけど、そりゃなかなか難しいんや。そこに手をつける
のはまあ、一種のタブーやからなあ……」