06/03/02 22:47:19 MFR5NAB6
>>817の続き
総督主催の宴会は洋食で、欧州風のワインの他に甘い果実酒である赤い朝鮮の地酒も出た。
外国からの客は説明が記載された小カードを貰い。それによると、この酒はツルチュクと呼ばれ
同名の野葡萄から作られたものであると書いてあった。
更に説明を読むと鴨緑江及び豆満江の水源がある海抜2740mの白頭山(長白山)にこの植物が
茂っており、大昔から朝鮮人は白頭山の人跡未踏の森に分け入り、野獣に襲われる危険も顧みず、ツルチュクを
捜し求めた。それはこの葡萄が万病に効き、いつまでも若さと健康が保たれると信じられていたからであると言う。
私はこの酒は味は悪くないけれども甘すぎると思った。だが同席の人々は、いずれもむさぼるようにツルチュクを
飲んでいた。恐らく何時までも変らぬ若さを得ようと期待していたのであろう。
食堂では、吹奏楽器と弦楽器によって交互に古い朝鮮音楽が演奏された。前世紀に出来た。これらの音楽は
「一万年の山の静けさ」とか「不変の愛」と言った、めでたいものばかりであった。だが我々の耳にはこれらの音楽は
いずれも、ただ長々と哀調を帯びているだけであり、数少ない楽器が同時に演奏されても、西洋音楽で言うハーモニーが
なかったので、浅薄で単調に感ぜられた。それでも静かに演奏されたため食卓での会話を妨害しなかったのは良かった。
食後、往時李王朝の宴席で披露された古い儀式ばった舞踏が始まった。
まず140年前、宮廷楽師が振付けた「長生豊宴」(長寿と豊かさの宴)と言う踊りが始まった。7人の踊り手は、長袖の
色とりどりの美しい絹の衣装を纏い、袖からはこれまた色彩豊かな長いリボンが幾つも垂れ下がっていた。この踊りは
ゆっくりとしたテンポで進められた。踊り手は互いに行き交い、礼をしたり離れたり、グループをつくったりした。
色とりどりの長袖が旗のように振られる様は見事であった。踊り手の動きは格式ばっていたもののなかなか優雅であった。
白頭山に葡萄を求めか・・・黒い山葡萄原人を思い出したのは内緒です(w
音楽についてはボロクソですね。しかし、静かなので会話が出来たと一応褒めている。フォローになっていないけど
今日と明日で終了の予定なので長文ウザーと言わずお付き合い下さい。