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■ハングル板の本棚■第11書架 - 暇つぶし2ch139:マンセー名無しさん
05/09/03 16:28:23 zJJmJoGW
『海游録』 朝鮮通信使の日本紀行
申維翰・著 姜在彦・訳注 平凡社・東洋文庫 252
URLリンク(www.issho.org)

『海游録』 の作者、申維翰氏の役名は、正使・副使・従事官に次ぐ 『製述官』 でした。 
どんな役かというと、対馬から江戸まで往復する道中、日本の読書人が作って持ってくる漢詩の添削をする役目でした。
当時、文芸の最高峰は漢詩でしたから、文字を知っている階層の人々は、みな漢詩を作る事に心血を注いだわけですが、
自分の作った漢詩の出来がどの程度なのか、日本人同士では分かりません。 

漢詩は、和歌や俳句と違って、韻を踏む事が必須ですが、日本の漢字の音読みは原音からズレてしまっている上に、
声調 (漢字一文字ごとに付く高低アクセント) を無視するので、韻が滅茶苦茶になる傾向があります。 
誰もが漢詩を作りたがるくせに、誰も正しい作り方を知らないので、誰に聞いても良し悪しが分からないという、
奇怪にして滑稽な状況が日本全国に蔓延していたわけです。

それに対し、朝鮮の知識階級は、漢文も漢詩も、寝ながら足でも書けるというレベルでしたから、
日本の漢詩ファンは、「通信使来たる」 の報を聞くと、「これこそ一生一度の好機!」 とばかりに拳を握り締め、
「是非とも添削していただきたい!」 と、自作の漢詩を抱え、通信使の宿舎へ馳せ参じたわけです。 
その数、百や二百ではなかったようで、宿舎に着くなり山のように漢詩が積まれ、夜通し添削して、朝を迎える事もあったとか。
 
しかも、そのほとんどが、全く箸にも棒にも掛からない駄作だったというから、製述官の苦労の程が忍ばれます。 
「これはよく出来ている」 という漢詩を目にした時には、わざわざ作者の名前も記していますが、
全旅程を通して、五・六人くらい出て来たでしょうかね。 そんなもんだったわけです、日本人の漢詩は。



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