06/09/25 16:34:05 PIo/v4PI0
柴田様もどこが悪いのかと思うくらい、寝こむこともなく、元気でいらしたのに、
１２月になると、ついに柴田様はベッドから起きれなくなりました。
音緒『おかげんはいかがですか？柴田様』
音緒が声をかけると、弱々しく微笑んでから、
『いつも自分で動いていたでしょう？もうどうしたらいいか解らなくて。
なんかねぇ、いつもと違うのよ。解るのよねぇ。カラダの右半分、動かないの』
音緒『またリハビリ頑張れば元気になりますよ^^ もう少し頑張ってね』
そうは言ってみたものの顔はひどく浮腫み、顔色は青白く、本当にただ体調崩しただけなのかな、
と思ってました。
ナースステーションに戻ると、ナースエイドの"うっちー"が柴田様の話しをしていました。
『柴田様浮腫みすごいわね。おしっこも出なくなってるみたいだし・・・
ああなると、もう長くないって、先生が・・・』
ああ、そうなんだ。若くてまだまだって思ってたけど・・・。
１２月の２７日。
柴田様はついに他界なされました。
あたしが仕事にならないくらい夢中でおしゃべりしたときもありました。
あたしのことをいつも誉めてくださいました。
最後に接したのは、お茶を飲ませてさしあげたこと。
『テーブルのお茶を飲みたい』といわれたとき、
いつもならエイドさんに頼みにいくのですが、その日は
『ベッド起こさなくても飲めますか？』ときくと、そのまま飲めるとおっしゃるので
手を洗ってからテーブルの上のストローを差したお茶を飲ませてさしあげました。
相当喉が乾いていたらしく、こちらが心配になるくらいゴクゴク飲んで・・・。
とても満足そうに『あ～おいしかった。喉がとても乾いていたの』と笑ったこと、
それが最後でした。