06/09/25 16:33:33 PIo/v4PI0
今年の冬は寒い。
いきなりの初雪が大雪だったり、気温が低い日も多い。
お年寄りはちょっとしたことがキッカケで体調を崩す。
去年の夏休み明けに、骨折をしてから寝たきりになってしまった患者様もいる。
銀座のお嬢様『柴田様』は、いつもいつもお釈迦様のような微笑を浮かべながら
『ここの病院の人はみ~んなお優しい顔なさってるわよねぇ・・・』
と言っていた。
シルバーカーを頼りに、ゆっくりと歩いていく後姿は、しゃきしゃき元気とは言えないまでも
まだまだ人生を楽しめるのに充分な生命力を感じていた。
12月に入って、初雪が降る頃、体調を崩された柴田様は
気がつくと看護婦さんづきの患者様として、目が離せなくなっていた。
目が離せないとはどういうことか。
目を離すと危険が伴うということ。
音緒『柴田様どうなさったんですか?』
ナースエイド『ちょっとね~風邪をひかれて、それから落ち着きないのよ』
車椅子からいきなり立ち上がってしまったり、ふらふら病室から出ていってしまったり。
音緒『ついこのまえまでシャキシャキしてたのに・・・突然来るんだなぁ』
音緒がこの病院に入所してから、2年半になるけど、
その当時からいる患者様で、寝たきりのほとんど動けない患者様が
小康状態のまま変わりなく過ごしています。
そうかと思うと、誰よりも元気な方が、突然他界されることの方が
多かったりします。