06/08/24 08:24:37 0d0DO2r50
私は最近思うのですが、病院経営に関して言えば、
「救急医療」は、ソル・メドロールのような劇薬ではないかと
思うのです。
収益の悪かった公的病院も、救急医療を行えば、議会の覚えも
めでたく、売り上げも伸びて、病院幹部としては診療報酬があがらない中、
これしかないと飛びつくのも無理はないと。
ところで、未収金増大や患者層の悪さ、トラブルの多さ、スタッフの疲弊、
意外と収益も悪いなどの副作用も強烈で、しかも救急を始めた当初は
余剰労働力の活用で済んでいたのが、そのうち本格的な環境整備も
要求されるようになると。
しかも一度始めると、なかなかやめられないという始末の悪さもある。
従って、器械類だけでなく、バーンアウト症候群にも備えて、マンパワーの
整備と、教育システム、キャリアパス形成システム、強力なトラブル対策を
行わなければならないわけです。
それを怠ると、医療スタッフがバーンアウトして逃散されてしまうわけです。
まるで何の支持療法も行わず、安易にvitalが改善するからといって
ソルメドロールを使い続けるように、救急医療をマンパワーと機器での
バックアップ体制を組まずに救急医療を続けていくと、
産科救急というもっとトラブルが多く貴重なリソースを食いつぶすものが、
ハイリスク妊婦による訴訟という重症感染で、産科医という重要臓器を一瞬にして
機能不全に陥れたり、労働条件の悪化による一斉逃散という大量出血を
招いたり、いざ救急を縮小しようとすると議会や首長から圧力がかかったりと
いう様々な副作用を生むわけです。
救急医療は、現場医師看護師以外には見栄えがよい魅力的な医療に
見えるので病院幹部や自治体首長議会は、安易にその手段をとりがち
ですが、しかし5年単位で病院をぼろぼろにしていく劇薬ではないかと
最近思います。