06/04/19 21:30:43 Asi8FCAc0
>>401
過去スレにも書いたような記憶がありますが,もういっぺん書きましょう。
初めて神経症 neurosis の言葉を使ったのは18世紀イギリスのCullenで,
当時ほとんど全ての精神障害が「神経症」と呼ばれておりました。
その後,フランス革命の頃に活躍したPinelが重い精神障害を「脳神経症」と呼び,
それ以外を「神経症」として区別しました。
19世紀に入って神経症が強迫症,広場恐怖,神経衰弱,ヒステリーなどに
分類されていき,精神病理学や精神分析の隆盛をみました。
ここまでの成果によって「神経症」の概念は,
1. 原因的には「心因性」の
2. 「軽度」の
3. 「一定の症状」からなる
4. 原則として「可逆性」の
精神障害と定義されました。
ところが20世紀に入って神経解剖学や分子生物学,遺伝研究などの進歩により,
いわゆる神経症とされてきた疾患が,相当に生物学的基盤をもって生じることが
明らかになり,それをふまえてDSMなどの操作的診断が考えられました。
いまではすっかり,「心因性」であるという点は重視されなくなりましたとさ。
おしまい。