06/09/14 20:19:39 SQtKupue
月刊誌「文芸春秋」10月号に赤坂太郎氏が以下のような寄稿をしています。抜粋して一
部を紹介します。
今太閤といわれた田中角栄でさえ、首相就任は54歳だった。戦後最も若い首相の誕生
は大きく世代の歯車を回すことを意味する。なにしろ安部は、自民党国会議員403人の
うち、下から数えて130番目なのである。当然ながら、水面下では世代抗争が激しさを
ましている。
「安部も、そのとりまきも情勢認識があまいんじゃないか。小沢の本当の怖さだって知ら
ないんだ」。先月21日昼赤坂プリンスホテルのトリアノンで開かれた中川・二階・古賀の
いわゆる“NNN会合”で二階俊博はぶちまけた。古賀誠も「安部がベテラン議員を排除す
るなどというなら、もたないよ。それに郵政造反組に対しても、情をもって対処しないと
参院選勝利なんておぼつかない」と厳しい注文をつけた。安部に近い中川秀直は黙って聞い
ているしかなかった。
「二階や古賀がいまから来るっていったて、二階建てバスの屋根まで満員なのに、どのに
乗るっていうのさ」。安部側近らの間でささやかれる、こんな挑発的な発言が彼らの神経を
逆撫でしているのだ。安部は、五年半の小泉の後姿から、「人事は誰にも相談せずに決める
ことが、最高権力者の権力の源泉だ」と学んでいる。
最大のポイントは「森離れ」である。先月上旬、訪ねてきた安部に森喜郎は「小泉さんの人
事やり方まで継続したら、もつものももたなくなる。総裁選が終わったらノーサイドで挙
党態勢をつくるんだ」と心得を助言した。安部は聞き入っていたが、何も答えなかった。
「安部は小泉にはなりきれない。再び俺の出番だ」と念じてきた森は、自らの鼎の軽重を
問われると、焦りを感じはじめている。
“闘う政治家”の矛先が、自分にも向けられていることに森は気づいているのだろうか。
さらにいえば、安部は参院自民党会長・青木幹雄に対しても、小泉ほど全面的信頼を寄せ
ているわけではない。組閣スケジュールをめぐっては、早くも火花を散らしている。