03/04/09 18:01
さて、この本の中から、この本が公安関係者の手によるものではないという、
具体的な根拠を挙げよう。この本によると、公安庁が事前情報の察知に成功
したのは「大菩薩峠における赤軍派一斉検挙」のみだという。具体的な例を
挙げているのでつい信じてしまいそうになるが、実はこれには元ネタがある。
「世界週報1987年3月1日臨時増刊号 保存版 これが世界のテロだ!」
(時事通信社)のなかの記事「そこが知りたい!日本の治安情報機構の実態」
において、公安庁の過去の戦歴の幾つかが紹介されている。
1)日本共産党の暴力革命時代に、最高幹部の松本三益を発見。
2)大菩薩峠での赤軍派一斉検挙。
3)連合赤軍が北関東の山岳地帯にこもったのをつかむ。
4)日本赤軍によるシンガポール襲撃を事前察知も海外への連絡が間に合わず。
5)愛国党員による三木首相襲撃を事前につかむも、警察の警備ミスで事件にいたる。
6)元日本共産党幹部・伊藤律の帰国を事前にスクープ(引用者注:東京新聞の
スクープは公安庁のリークと思われる)
7)石油危機のときに、アラブ側の情報を大使館員から入手し政府に提供。
おそらく、「お笑い公安調査庁」の著者は、まさかこんなのを誰も憶えていないと
タカをくくって、1個だけ引用したのだろう。
さらに、麻生幾「情報・官邸に達せず」(文芸春秋)によると、公安庁は、
統一教会関係企業がロシアから潜水艦のスクラップを買い取って北朝鮮に売った
とき、マスコミがさわぐ数ヶ月前にこの情報のみならず、潜水艦が再起不能状態
であることをつかんでいた。
もし「お笑い公安調査庁」の著者が同庁関係者なら、いったいどうして同庁の業務成績
を意図的に過少評価するのかな?