03/03/30 16:19
「オーム裁判に陰謀の匂い(1)」
話は少々古くなるが、地価鉄サリン事件を初めとするオーム事件が起きその裁判は今もなお行われている。その裁判の中で前代未聞
の出来事があった。一連の裁判の中でオームが使用した薬物に関する公判を検察が放棄してしまったのだ。
その理由として検察側の説明は次のようなものであった「弁護側が裁判の促進に協力しないため裁判に時間がかかっている。国民は
裁判の促進を望んでいるので公判を放棄した。責任はすべて弁護側にある」。これに対して、弁護側の反論は「検察が公判を放棄した
のは起訴が誤りであったことを検察が自ら認めたものだ、弁護側はすべて適正な裁判手続きを踏んでおり何ら誤りはりない」というも
のだった。
当時ほとんどのマスコミはその事実のみ伝えるだけだったが、検察のこの対応はおかしいし、説明も検察のものとしてはいかにも幼
稚で不自然あった。検察というのは、裁判に時間がかかると有罪か無罪かに関係なく公判を放棄してしまうところなのか。確か、前に
も後にもそんなことはないはずだ。しかもどう考えてもこれは罪状明白の事件だ。迅速な裁判を望む声など昔からずっとあった、今回
だけの話ではない。裁判を早く切り上げたいなら、もっとたくさんの公判を放棄すればよいではないか。薬物裁判以外は急がなくても
よかったのか。現に裁判は今でもまだ続いている。
そう考えてくると、検察が恥も外聞もかなぐり捨てて一連の裁判の中で薬物に関する部分だけを放棄した本当の理由はその「薬物事
件そのものにある」ということが見えてくる。そして薬物事件の裁判をやりたくない、また公判放棄で恥をかかなければならない理由
は検察には見当たらない。
では、検察に公判を誰が放棄させたのか、なぜその裁判をやりたくなかったのか。
その前に、薬物事件とはどんな事件であったかと言うと、サリン、VXなどの毒ガス使用を除く、覚せい剤などの密造と使用、睡眠
薬などの抗精神薬、自白剤、記憶を消す薬その他の製造と使用などについて麻薬取締り法、薬事法、医師法、傷害などから各罪状が審
理されるものであった。
次に、オーム事件を扱ったのは①事件前から関わっていた公安部②事件を扱った刑事部(警察庁)と③事件後の破防法に関連する公
安調査庁である。(2)へ続く