03/03/19 13:40
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元警部に懲役12年求刑
札幌地裁 検察「警察不信生んだ」
密売目的で覚せい剤を所持していたなどとして、覚せい剤取締法違反や銃刀法違反(拳銃所持)の罪に問われた
道警元警部の稲葉圭昭被告(49)=昨年7月に懲戒免職=の公判が17日、札幌地裁(小池勝雅裁判長)であった。
検察側は論告で「事件は警察に対する大きな不信感を生んだ」とし、懲役12年罰金200万円を求刑。弁護側は
「背景には(警察の)組織的な関与があった。求刑は重すぎる」と述べ、結審した。判決は4月21日に言い渡される。
稲葉元警部はこれまでの公判で起訴事実を認めたが、被告人質問では自ら拳銃をコインロッカーなどに隠して匿名
の通報をし、やらせの銃器摘発をしていたことや、上司がそのことを知りながら黙認していた可能性を示唆した。
この日の最終陳述でも、稲葉元警部は事件について謝罪。被告人質問での発言について「検察官が指摘するような
言い逃れや、警察組織に対する責任転嫁ではない」とし、覚せい剤の入手については「拳銃を最終目的とした泳がせ
捜査で、税関との合同捜査だった。泳がせ捜査は関係者全員が秘密にすることで闇に葬られたが、皮肉にも私の事件
によって露見した」などと述べた。
弁護側も最終弁論で「協力者を使った(銃器の)やらせ捜査やおとり捜査などを上司は承認し、被告は少しぐらい
の違法行為は許されると錯覚したようだ。検察側の論告は事態の真相に目を背けている」と指摘した。
論告によると、稲葉元警部は昨年7月、札幌市中央区の2カ所のマンションで覚せい剤計約93グラムを所持。
マンションには、ロシア製短銃1丁も隠していたとされる。
検察側は冒頭陳述で、昨年初めまでに短銃10丁ほどをロシア人船員から入手し、暴力団関係者に密売したと指摘。
覚せい剤の密売では「自腹を切って捜査協力者に小遣い銭などを渡したが、資金の捻出(ねんしゅつ)に苦慮し、
覚せい剤の保管に協力すれば利益を得られると知って関与するようになった」と述べていた。