08/07/14 01:50:39 hjfJklFM
妄想その9(ケン)
「た...助けて下さい」
彼女は顔を上げると、か細い声を絞り出した。
「助けて、か。誰に助けて欲しいのかな。この状況から抜け
出したいのなら、もっと大きな声で叫ばなきゃ。もっとも、大
事なところ丸出しで、自分から喜んで俺に付いてきた姿を
他人に晒す気がお前にあれば、の話だがな。」
俺はそういうと、彼女の目を真正面から見つめた。
しばらくの沈黙の後に、彼女は小さな声で、しかしはっきりと
答えた。
「違うんです....貴方に私を助けて欲しいんです。」