10/02/06 02:30:46 qH804bw80
―なんなんだ、あいつは。
何しろ今は、そのかずさですら小木曽雪菜のことには並々ならぬ関心を持たざるを得ない状況に追い込まれているのだから。
数日前、彼女と初めて会話ともいえないような二言三言を交わしたときのことを思い出す。
小木曽雪菜は・・・・・・やはり、周囲が言うとおりのアイドルだった。
昔から聞いていた評判通り、目にしていたイメージ通りの、かわいい顔、声、仕草から繰り出される明るく爽やかな態度でかずさと、その場にいた彼女のバンド仲間に接していた。
ただ、ほんの少しだけ評判と違っていたのは、その距離感。
それも当然かずさとのではなく、彼女のバンド仲間との・・・・・・
「・・・・・・」
あの時かずさは、絶対に合わないタイプだと直感で悟った。
何もかも自分とは違う、光の、白の、太陽の属性。
いい意味で特別扱いされ続けてきた、正しく強い勇者。
相手に対しての気持ちを正直に顔に出せる、そのまっすぐな心。
だから彼女はかずさにとって、今年に入って二人目の、苦手な奴になった。
他人に関心を持たないかずさには、他人を苦手とする理由などないはずなのに・・・・・・
「あれ、冬馬、どこいくんだ?」
「っ・・・・・・」
なんとなく苛ついた頭を冷やしてこようと席を立ったかずさに、まるでずっと観察していたかのようにすぐに声をかけてきたのは、ついさっきまで騒動の中心にいた、今年に入って一人目な奴だった。