09/08/24 01:04:35 s/ShLJbP0
これはある精神病院の患者、
―千鶴(仮名)がだれにでもしゃべる話である。
彼女はもう三十を越しているであろう。
が、一見したところはいかにも若々しい狂人である。
彼女の半生の経験は、―いや、そんなことはどうでもよい。
彼女はただじっと両膝をかかえ、時々窓の外へ目をやりながら、
(鉄格子をはめた窓の外には枯れ葉さえ見えない柏の木が一本、
雪曇りの空に枝を張っていた。)
院長の長瀬博士や柳川を相手に長々とこの話をしゃべりつづけた。
もっとも身ぶりはしなかったわけではない。
彼女はたとえば「耕一さん」と言う時には急に貧乳をのけぞらせたりした。……