09/04/29 12:19:11 +j7Zcrz90
夢と現実、欲望と理性、そして、癒やされぬ痕…。
別居中だった親父が突然の事故で死んで早一ケ月。
せめて四十九日の間くらいはと、長い大学の夏休みの終わり、俺はかねてから予定していた
旅行を取りやめ、田舎にある親父の実家へと訪れた。
幼い頃に両親を亡くし、俺の親父に扶養されていた従姉妹の姉妹達も、悲しみに明け暮れて
いた日々に決別し、徐々に明るい笑顔を取り戻しつつあった。
心に深い痕(きずあと)を残したまま、俺を優しく迎え入れてくれる彼女たち。だが事件は、
そんな彼女たちの心を、冷たく非情に引き裂いていった…。
「…耕一さん。…あなたは柏木の血に勝ったのです。…呪われた鬼の血に。…お父さまにも、
叔父さまにもできなかったことを、あなたは成し得たのです…」
「なんだよ、ようやくお目覚めかよ? 地元の連中は大事件で大騒ぎだっていうのにさ。
ホント、余所者は気楽でいいやねー!」
「…身体…なんともないですか?」
「耕一お兄ちゃん、具合はどう? どこか悪くない? 千鶴お姉ちゃんは大丈夫だっていうけど、
眠ったまま全然起きないし、わたし、とっても心配で…」
【前スレ】
「痕」総合 第十三夜
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