10/01/15 18:32:06 56raslkh0
「ねえ、春原。付き合ってよ」
杏のその言葉を聞いて、僕の心は急激に温度を下げた。
夕暮れ。誰も居ない教室。好きな女の子からの告白。
小躍りしたくなるようなシチュエーションだ。本当に。
……でも、その裏側にある「本当の気持ち」を知っていたら話は別だ。
そう、こいつは、僕のことなんかちっとも思っちゃいない。
ただ妹の恋のために。
自分と岡崎が付き合ってるっていう噂をかき消すためだけに。
それだけの為に、僕に付き合ってと言ってやがる。
「……春原?」
そう言って杏が怪訝そうに僕の顔を見る。
……腹が立つ。手が震える。
断るべきだ。僕のなけなしのプライドのためにも……岡崎と杏のためにも。
二人とも好き合ってるくせに、素直にその通りに動かない。だから杏もこんな行動に出てる。
断るべきなんだ。
……でも、それでいいのかとも思う。
これはチャンスだと、僕の中になにかドス黒いものがあふれ出る。
ごくり、と喉がなる。
手に入るはずの無かったものが、手に入ろうとしているんだ。
だったら……だったら。
「……ああ、うん、いいよ」
そう言って僕は、少しぎこちなく笑った。
こんな感じで書いてる。正確なセリフとかは杏編やってないから知らん。