08/10/17 12:20:01 3qXDKRkC0
しぶしぶといった表情の来ヶ谷だがあとは何も言わない。
俺たちは三枝に背中を任せ、教室をあとにした。
一体俺たちはどこへ行くのだろうか。
来ヶ谷とであればグレートジャーニー出来るのかもしれない。
そんな予感に満ちながら、なだらかなスロープの頂上に立っていた。
「で、ここは第二通用口だ……当然この先は外、私は今日は戻らないつもりでいる」
「戻らない?どこ行くんだ?」
「別に夜のお兄さんたちに買われていったりはしないから安心したまえ」
「それはないだろ。あれだ、俺が言いたいのは」
「なんだ」
「お前のことだから前もって寮長に伝えたりはしてあるだろうけどさ、心配するだろ」
「誰が」
「みんなが」
「誰を」
「お前を……て、やめいっ!この既視感を俺は知ってる……っ!」
「ほう、それは面妖だな。私はもう少し付き合ってくれてもいいと思う」
「ああいいだろそんなことはどうでも」
「……ふふ、こうしていると私は楽しかった」
「そうだな、楽しいかもな、ったく」
「君だってさっきはジャーニーがどうとか訳のわからないことを口に出していたぞ?」
「ああ、あれな。いつか叶いそうな気がするしな。そのときはよろしく」
「旅は好きだな、私も」
「そうか…って赤外線ついてたよな携帯。今日はとりあえず番号交換だ。
それから行ってくれ」
2/2