08/12/16 19:28:03 ePYE42yh0
「……シルファ、あんた……」
突然の声にギョッとして、シルファは寝そべった体勢で顔を入り口の方に向けた。 ― その視線の先には、呆然と
立ちすくむ桜色のセーラー服に桃色の髪。
「― ぴぎゃっ!ミ、ミルミルッ!― ぴぃぃぃぃぃっっ!!みっ、見ちゃらめぇぇぇぇええええっっっ!!」
シルファは羞恥に顔を激しく紅潮させながら、バネが弾かれたようにベッドの上で上体を起き上がらせた。
「……シルファ、あんた、なんなの……?貴明をおかずにして、えっちな事口走ってオナニーなんかして……一体
……」
信じられないという表情で、ミルファは問い詰めた。
シルファはぶるぶるとかぶりを振る。そして、切なく身をよじり、瞳をうるませ、哀願するような眼差しで答えた。
「が……我慢れきないのれす……止まらないのれす……手が勝手に、動くのれす……ご、ご主人様と、え、えっちな
事したいのれす……ご、ご主人様の、太いの、シルファのここに、入れて欲しいのれす……い、いっぱい、突いて欲しい
のれす。いっぱい、いっぱい、熱いの、中にらして欲しいのれす……ミ、ミルミル、シ、シルファも、えっちに交ぜて欲し
いのれす― ッ!」
それを聞くと、ミルファの表情は和らぎ、そして「ふっ。」と口元を緩ませる。腰に手を当てながら、言った。
「なぁ~んだ。ヒッキーもやっぱり、貴明が好きなんじゃな~い。ホぉ~ント、素直じゃないんだからぁ。」
― しかしそう言った後、急に表情はキッと険しいものになる。
「……でもダメ。貴明は、あたしにプロポーズしたんだから。命懸けで、あたしを追ってくれたんだから。あたしだけを
好きって、言ってくれたんだから……貴明は、あたしだけのダーリンなのっ!!」
しゅんとなり、恨むような表情でミルファを見据えるシルファ。
「……そう。ミルファちゃんはわがままな子。いけない子ね。折角シルファちゃんがみんなで幸せになりたいって言って
るのに。お仕置きが必要みたいね。」
556:感染レベル4 (2) (11/11)
08/12/16 19:29:51 ePYE42yh0
― 突然の背後からの声に、ギョッとなり振り向くミルファ。
しかし、その瞬間には、既に彼女の背の急所には指がめり込んでいた。「あうっ!?」と呻いた後、急激に視界が暗く
なっていく。
消え去る視界の中に、最後におぼろげに映ったのは、青い髪―
― お、お姉ちゃん― 。
ズルッと崩れ落ち、床に横たわってしまう。
「……はぁ、はぁ……イ……イルイル……ッ!?」
絶え間なく襲い来る欲情に喘ぎ声をあげながら、シルファはその様子を唖然として見つめていた。
「……はぁ……はぁ……うふふ。これで邪魔者はいなくなったわ……さぁ、貴明さんを、快楽のエデンへとお連れする
のよシルファちゃん……はぁ……はぁ……」
イルファの瞳は、妖しい光をたたえていた。
――
そして今、暗所に拘束されて、うずくまっているミルファ。
彼女はようやく、事ここに至った顛末を思い出した。
窮屈な暗がりの中、頭では必死にもがこうとするが、手足はまったくいう事を聞かない。
“……うぇ~ん、ひどいよ~お姉ちゃん……なんであたしがこんな目にぃ~?”
真っ暗な閉塞感が、彼女の不安を更に煽るのであった。
“うわぁ~~んっ!暗いよぉ~狭いよぉ~恐いよぉ~~っっ!!助けてっ!助けてダ~リ~ンッ!!!”
(つづく)
557:名無しさんだよもん
08/12/16 19:34:05 ePYE42yh0
投下終了です。
558:名無しさんだよもん
08/12/16 19:54:42 cxgzmAlk0
乙乙
由真参戦フラグかこれは
源四郎の息子って言われて源六朗?こと長瀬のおっちゃんが出てくるのにちょっと時間がかかった
559:名無しさんだよもん
08/12/17 00:22:13 6PAXPmu30
優季ssを書いてくれた方に最大限の感謝を!!!
560:名無しさんだよもん
08/12/17 16:12:13 3uir7KMQ0
長瀬のおっちゃんは源五郎だよ。
たしか源一郎とか源三郎とか祐介の父親もセバスの息子じゃなかったかな。
フランクと源之助と源次郎は知らん。
561:名無しさんだよもん
08/12/17 16:30:22 ZBPQRk0o0
俺はダニエルとセバスチャンの違いがよくわからん。
562:名無しさんだよもん
08/12/17 17:14:34 H5YKp5O20
セバスチャンは芹香が源四郎を呼ぶ時の渾名、ダニエルは来栖川家の執事の役名みたいなの。
最初同一人かとは思ったけど、よく見ると顔も違うね。2年経って髭とか伸びたのかも知れないけど。
長瀬一族は面長な容姿に特徴がある。多分モデルとかいるんじゃ。
してみると由真は母親似なのかも知れんねw
563:名無しさんだよもん
08/12/17 21:37:42 4zN4Iq7gO
正直面白くない
564:名無しさんだよもん
08/12/17 21:49:09 c4rXgU5U0
>>563
同感。だから是非>>563が面白いと思うSSを教えてくれ。鳩2や葉に限らなくてもいいよ
565:名無しさんだよもん
08/12/17 23:00:56 6Ior0CUr0
この人いっつも、後半に一応見せ場は作るけど前半中盤が必要以上に暗かったり退屈だったり
何編かに分けられるとつまらない話ばっかり続くから、次を読む気が失せちゃう
コンパクトにまとめて、一気に落とした方がいいんじゃない?
それはそうと、容量見ると、もう次スレ移行の時期かと思うが
566:名無しさんだよもん
08/12/17 23:43:21 OZR/EamQ0
そういやそうだね
とっくに目安容量過ぎてるな
被ると嫌なので一応予告
0時までスレ立て報告がなければスレ立てするわ
567:名無しさんだよもん
08/12/18 00:12:28 TWXbNKK/0
たてますた
ToHeart2 SS専用スレ27
スレリンク(leaf板)
スレ梅ヨロ
568:名無しさんだよもん
08/12/18 01:52:07 /zPV9nbsO
自分は、自分が思いつかない、書けない話を書ける人は尊敬します。
そしてクリスマス頃に合わせてSS書いてたら、PC壊れてデータあぼんしましたとさ・・
569:名無しさんだよもん
08/12/18 02:23:49 3tW5rKt70
>>562
セバスチャン=長瀬源四郎
ダニエル=長瀬源蔵じゃなかったっけ?
ちなみに、長瀬源蔵の名前は愛佳シナリオの4月21日のイベントで出てくる
(古い図書カードのイベントね)
570:名無しさんだよもん
08/12/18 06:57:24 a8iPfXPJ0
>>563-565の好きなSS語りマダー?
571:名無しさんだよもん
08/12/18 17:39:50 WTABi/na0
>>562
由真は母親の方が長瀬。たしか駆け落ち後和解で父親は婿養子じゃないかねえ。
だから普通に父親似。
572:長瀬一族の陰謀 1/2
08/12/18 20:12:44 Q7roYixy0
「― うめぇ。これはうめぇと思うよ、由真。」
ハヤシライスを一口スプーンで放り込んで、貴明は率直な感想を述べた。
「ふふ~ん、当ったり前でしょ♪」
頭にはカチューシャ。胸が強調された黒と白の、丈短めのスカートのエプロンドレスに黒いガーターストッキングが目に
眩しい、メイド衣装の由真が腕を組み得意顔でふんぞり返った。
ム~……と、不機嫌顔でその様子を食卓の脇の椅子から窺うミルファ。
「ご主人様、シルファのお食事と、ろっちがおいしいれすか?」 これまた憮然としながら、貴明を問い詰めるシルファ。
「いや、その……どっちがと言われても……ははは……(汗)」
答えに窮し、困惑して手を後ろ頭に廻す貴明。
「愚問ね。こちとら執事の家系に生まれて、1×年間、だてに人間やってきたわけじゃないんだから。経験値とか機微
とか、所詮付け焼き刃のメイドロボさん達と比較されるのは不本意よね~。」
そう言って、由真はニヤリと白い歯を剥き、それがキラ~ンと光る。
「ムッカ~ッ!」
「むきゅううううううっ!」
「……しかし由真さ、こんだけ作れるんなら、何も俺んちでメイドの練習なんかする必要ないじゃん?」
貴明が怪訝な顔で訊ねた。
「ひっ……必要あんのよ!相手は来栖川のお嬢様。おじいちゃんに恥をかかせるわけにはいかないの!」
焦ってムキになりながら由真が返す。
「でもさ、そんだけ大きなお屋敷なら、専属のコックくらいはいるよね?調理の心配までする必要ないじゃん?」
― イッ!?と、貴明の指摘に大袈裟に後ずさる由真。
「それにさ~、もうセリオお姉ちゃん直ってるって言うし、時間短いバイトでそんなやる事ないんじゃない?」
「そもそもご主人様の舌と、お金持ちの舌じゃ、基準が違うのれす。ま、シルファは優秀なめいろろぼれすから、ろっち
にも対応可能れすが。」
「― うっさいわねっ!どんな突発事態にも対応出来るよう準備しておくってのが執事の家の常識ってもんなのっ!」
くわっ!と一喝する由真。
573:長瀬一族の陰謀 2/2
08/12/18 20:14:02 Q7roYixy0
「……で、河野貴明。これも食べてみて。」
おもむろに、鍋からスープをよそり、貴明の前にそれをコトリと置いた由真。
それをまじまじと見つめる貴明。
― どこか漂う、独特の刺激臭。
記憶を失う前のミルファが持参してきた弁当ほどではないが、あれと同種の、危険な雰囲気が感じられる― 。
「おい由真、これ何だ?」
「何って― 普通にメキシコ風のスープ。結構練習して、自信あるんだから ― 四の五の言わずに、さっさと口に
しなさいよっ!」 手を腰にして、顔を突き出す由真。
はいはい……と、不承不承を極力顔に表さないよう気を遣いながら、貴明はスープをスプーンで一さじすくい、口に
含んでみた。
…………
…………
「クワァ~~~~~~ッッッ!!!」
ややインターバルを置いてから、だらだらと顔中から汗が垂れ、赤くなった後に青くなり、やがて白目を剥いて悶絶
し、椅子ごとバタンッ!と後ろに倒れ込んだ貴明。
「ダッ、ダーリンッ!?」
「ごっ、ご主人様ぁ~~っ!?」
ミルファとシルファが慌てて駆け寄る。ぶくぶくと泡を噴いて倒れている貴明。唇が数倍に腫れ上がっていた。
「あちゃーっ……。綾香さん、辛い四川ラーメン好きだって聞いたから、どのくらいが丁度いいか貴明で実験してみた
んだけど……ちょっと、ハバネロ入れ過ぎたかしら。」
そう呟いて、横たわる貴明を一瞥する由真。
「― まっ、いいっかぁ。骨は埋めてあげるかんね~河野貴明♪」
(おしまい)
574:名無しさんだよもん
08/12/18 20:14:50 Q7roYixy0
とりあえず埋め
575:名無しさんだよもん
08/12/18 20:15:34 9d1n+LLY0
はいはいおしまいおしまい