08/03/21 00:21:23 IfyK1bWG0
「シルファも寂しかったれす! 二週間、たった二週間のあいららったのに! 研究室の
明かりが消えたら、ご主人様のことばっかりうかんでくるのれす。シルファも、シルファ
もご主人様と同じくらい、寂しがりやなのれす」
「らから、シルファもご主人様と一緒に」そう言うシルファちゃんの手を握る。前と変
わらない、シルファちゃんの暖かな手。
すると、シルファちゃんの方からも俺の方に体を寄せてきてくれた。
手をつないだまま、二人で二階の俺の部屋へとあがる。
電気の消されたリビングの中には、もう一人で寂しく夜を過ごすメイドロボも、誰かを
好きになることに怖がるようなやつももういない。
キッチンの、シルファちゃんと一緒にやってきた冷蔵庫の野菜室の中には。
さっき一緒に買ってきた、これから、シルファちゃんが俺のために作ってくれる料理の
材料が、ずっと、ずっと先の分まで入っていて。
終
634:名無しさんだよもん
08/03/21 00:22:38 bvtFDuPg0
乙
やばいシルファ可愛い
ちょっと俺がリボンぐるぐる巻きでベッドで待ってる
でも、野菜買いすぎで腐っちゃうんだろ
635:冷蔵庫の野菜室には あとがき
08/03/21 00:22:48 IfyK1bWG0
支援くださった方、ありがとうございました。
初めてのシルファSSでしたが、ちゃんとシルファになっていました
でしょうか。
口調は、どっちが良いのかなぁ。というか、どっちが可愛いかなぁ。
636:名無しさんだよもん
08/03/21 00:29:18 WV5S+CIW0
>>635
乙でした。口調については、緊張すると(?)元に戻るっていう設定はありがちだけど
違和感もなくてよかったと思います
637:名無しさんだよもん
08/03/21 00:31:11 3l88S/xj0
GJ すぐる!シルファ可愛いよシルファシルファシルファ……
俺キモい。でもマジで GJ。
638:名無しさんだよもん
08/03/21 00:43:30 TDw1qcaS0
>>635
乙、パジャマ姿見てぇ。
あと、13/29下の方の
目を剃らせる→逸らせる
639:名無しさんだよもん
08/03/22 11:20:48 w2nz8ICS0
>>635
乙!なんか読んでるだけで、その場面が浮かんでくるようだったぜ…
心をくすぐるような設定とシルファで最高だったよ、GJ!
640:名無しさんだよもん
08/03/22 17:14:20 GpidmBMc0
しっかしシルファSS多いね~w
AD発売してからのキャラSSの割合見たら圧勝してそう
ミルファ人気はどこ行っちゃったんだろ
641:名無しさんだよもん
08/03/22 17:43:41 NcY/cUrO0
これからtoheart2の世界を完全再現した日常SS書こうと思うんだ。
ちょっと待っててくれなんだぜ。
642:名無しさんだよもん
08/03/22 17:44:13 NcY/cUrO0
あぁ。ミルファが主役なんだぜ。!
643:名無しさんだよもん
08/03/22 17:52:25 A1G9PwMV0
むしろ完全じゃない方がいい
644:名無しさんだよもん
08/03/22 18:18:42 /boVaWhw0
完全に再現しようとすると、フラグと登場人物が多すぎて大変そうだな
645:「無題2~攻殻家政婦-HuMan eXcimer~1/7」
08/03/22 18:33:20 NcY/cUrO0
あんまり怒らないでね。上の宣言は大幅に嘘なので。
今日は映画見てないからすぐ書けた。
---
姫百合家で瑠璃様のお手伝いをするようになって、はや数ヶ月。
研究所外での情報の結合と意味づけが進んできているようだ。
「イルファ味変えた?ちょっと薄味みたいやけど」
外の情報はやはりノイズが多く、有形無形の感覚情報とそれに伴う思考の断片が乱雑に人格を成す。
「新鮮な卵が手に入ったので、味付けせずに焼いてみました。お好みで調味料をどうぞ。」
「うちソースつける~」
ミルファもまたその位置にいる。
「ミルファちゃんの行動どう思います?少々派手ではないでしょうか。」
「秩序か。並列化やめてから考慮すべき要素やったかもしれへんけどとりあえず傍観かな~
分岐の誘発は予定された域以外にはあんまり作用してないしな。」
「さんちゃん。もうちょっと保守的に考えんとそのうち捕まるで。政治はえてして純粋な科学に対して友好的でないねんから。
人道的行動という政治装置から科学を定義すると、科学そのものがそもそも純粋でないし、
その装置は大衆にとってほぼ絶対的な承認対象やしな。いわゆる正義か。
っていうかイルファ。そういう問題提起は評価したるけど食べてるときに体をまさぐるのやめ~!言動と相反してるやんけぇ」
「え。そんな。瑠璃さまったら。ぽっ」
「ぽってなんやねんぽって。わけのわからん独自解釈で体をくねらすな。」
「保守的やで~そもそも政治に関与しようとしてないしな~」
「で、結局関与してしまう分を能動的に解消するつもりもないんやろ?」
「めんどくさい~」
「「はぁー…」」
646:「無題2~攻殻河野帯-HuMan eXcimer~2/7」
08/03/22 18:33:42 NcY/cUrO0
-ちゅんちゅん
コーヒーにトースト。優雅な朝を木漏れ日と鳥たちが演出する。
「タカくーんおはよー」
ふぅ。朝はいい。休みならもっといいのに。
「はいるよー?」
でも今日が休みだと知っていることはあんまり俺にはよくなさそうだ。
朝起きないしね。
「どうしたのー?」
情報の前後による行動の変化とそれがもたらす精神状態への影響の有無。
「あぁ。おはようこのみ」
たとえば今日どんより曇ってたら多分こんなことは考えなかっただろうな。おもしろいなぁ。
「もー。無意味な思考は人生の浪費であります。休みを浪費をしないように明日はこのみとどっかいくであります。」
意味の無い言葉の整理に貴明は思考を傾けていた。
「というか学校いこうよーもう八時半だよー」
そういや遅刻って、量でなくてフラグ的な感じのする表現だよなぁ…遅時だと量っぽいけど。
647:「無題2~攻殻家政婦-HuMan eXcimer~3/7」
08/03/22 18:34:06 NcY/cUrO0
「おかえりなさい。ミルファちゃん。」
「ただいま。今日メンテじゃないよね。何で研究所にいるの?」
「お話しようと思いまして。今日も貴明さんを追い掛け回してきたんですか?」
「もちろん。でもなかなかダーリンが襲ってきてくれないんだぁ。
っていうかわざわざ聞きに来たの?。あたし普段防壁使ってないから調べられるのに。」
「もう。防壁は作動させとかないとだめです。
外部とは来栖川を経由してつながってるものの、進入出来ない構造ではないんですから。
それに、何でもかんでも開けっぴろげなのはよくありません。」
「えー。だってデフォルトの防壁処理容量食うんだもん。
それにデフォルトだと有線されなきゃどうせ来栖川経由だから同じの使っても意味ないし。」
「じゃあ自分で組むかシルファちゃんに頼めばいいじゃないですか。」
「デフォルトより効率いいの組むの大変そうだし、
ひっきーになんて頼みたくないし、それにそんなの内側に入れてたほうがよっぽど危険そうだしね。
というか防壁に関してはシルファのほうが問題でしょ。基本的にエンジニアは覗かないしシルファも表向き協力的だけど、
何か起こって操作が必要になったとき、目に見える防壁は別として見えない状態の物作ってそこで処理進めてたら危ないじゃない。」
「相対的な危険性の提示はあなたの正当性を支持しません。
まぁいいです。今はそのことについてはおいておきましょう。」
648:「無題2~攻殻河野帯-HuMan eXcimer~4/7」
08/03/22 18:34:29 NcY/cUrO0
「今日は平和ですね。久寿川先輩。」
「そうね。でもね、平和って言うのは恒久的な状態では存在しないのよ。
何も変化しない、完全に広がりきって密度が0の状態を平和と呼ぶのならそれは否定できるけどね。
私たちが生活している中でそれはありえないから平和も恒久的には存在し得ない。
戦争の合間にあるのが平和って言うような言葉もあるでしょ?」
「ちみたち。平和とはいったい何か。あぁ。人類の永久の命題であってその定義が完成しない。
いや、定義できないからこそ永久の命題たりえるのかもしれない。
命題結構。しかしながらそれに費やされてきた年月はいったい何をもたらした。
そろそろ意味の無い言葉遊びは止めにしないか。
私たちが力を合わせればそんな無意味な行動に時間を浪費する必要は無くなるのだよ。」
「本当でしたね。」
ちっちゃい人を2人で傍観しながら、そう貴明が言う。
「というわけでたかりゃんコーヒー牛乳かってきて。」
「あ、私は野菜ジュースをお願い。」
649:「無題2~攻殻家政婦-HuMan eXcimer~5/7」
08/03/22 18:35:25 NcY/cUrO0
「ミルファちゃん。たとえばあなたは今日の朝、貴明さんに会って何をしましたか。」
「抱きついてー胸をこすりつけながらおはよーっていったよ。」
「犯罪です。」
「いいじゃない。あたしは法律なんかには縛られないの。それにダーリンは嫌がってないんだし。」
「貴明さん本人についてだけではありません。あなたは貴明さんについては周りが見えなくなります。
そもそも人の倫理によって極力抑えられている社会の不確定要素に対しても、
倫理から見て未完成で不確定要素だらけの私たちは、不確定要素を励起しかねないんです。
不確定要素の塊が行動して起こるデメリットが想像できないわけではないでしょう。」
「それは詭弁ではないの?秩序は今もって人によって完成されてない。
倫理観の"少しの違い"がその中で大きな破綻を招くとは思えないよ。」
「保たれない秩序は大衆がその傾向をもって今現在を形成しているというのは否定しません。
ですが、大衆において著しく平均から外れている倫理観を持つ存在がその秩序の変化を大きくしているのは事実だと思うのです。
私たちはその外れた存在になるために作られたと思うのですか?
"少しの違い"で済まされる程度ではないのです。
意向を変えないというのなら…」
650:「無題2~攻殻河野帯-HuMan eXcimer~6/7」
08/03/22 18:37:59 NcY/cUrO0
「なあ。貴明。」
「ん?」
「人間って何でいるんだろうな。」
「いるためにいる。っていうのはどうだ。」
「意味の言及でなく理由の言及か。」
「意味が生成されるのは認知するからこそだろう。唯名論的解釈はあんまり好きじゃないけど、
これにおいては的を射ているとおもうよ。」
「悪くないな。でも俺がつなげたいのはその方向の話じゃないんだ。」
「なんのことだ?」
「生殖だよ。」
「今日は話が下品な方向にかなり飛んでるな。いつもなら恋愛ブルジョアとか叫んでるだけなのに。」
「恋愛ブルジョアめ。
まぁ、それはいい。恋愛ブルジョアであるお前にはそんな提言をする余裕だらけかもしれないけどな、
俺は違うんだよ!くそ!何で違うんだよ!」
「自分で言ったことに切れるなよ…」
「生殖は人がいるための意義なのか。」
「そりゃ、生殖が無きゃ存在し得ないからな。」
「そうじゃねぇよ。個として人が存在するために雌雄で生殖を行う意義があるのか。」
「アイデンティティの誇示に役立つことは無いだろうな。」
「でも、抽象的になるが、愛はアイデンティティの誇示に含まれる要素だと思わないか。」
「何が言いたい。」
「これにこの写真に見覚えは無いか。」
「!?」
651:「無題2~攻殻家政婦-HuMan eXcimer~7/7」
08/03/22 18:38:47 NcY/cUrO0
「意向を変えないというのなら」
イルファがミルファの胸倉をつかむ。
いや、つかみそこねそのまま姿勢を低くし足払いに移行する。
ミルファはこれを回避。
「ちょっ。情報に干渉するつもり?表層だけ書き換えてもどうせ芯の部分から侵食されるから意味無いでしょ。」
「だとしてもです。あなたのためです。無線だと来栖川の防壁に阻まれますが…」
飛翔。だが捕らえられない。
「有線なら」
「「うっ」」
2人は触れていない
「個が特定されていればそれれいい。」
シルファが無線で来栖川の防壁を越え、2人の制御を奪う。
「世界の倫理とか秩序とかろうれもいい」
2人の行動規定に干渉する。
「色恋がらみでそんないい争いしてたらセカイ系的な崩壊を起こしてしまう」
書き換える。完了。
「私が私であればそれぴゃっ」
イルファが自分自身の制御を回復し、シルファと自分をケーブルでつなぐ。
シルファの情報には干渉できないしする必要も無いのでスリープに移行させる。
結果的に、シルファによりイルファの思惑は達成された。
「もう。ミルファちゃんに対する干渉に規制がかかってしまいました。
瑠璃様への行動は特にいじられていないので、今のところそんなに悪い状況ではないですね。
お疲れ様です。シルファちゃん。」
どこから用意したのか、冷蔵庫のダンボール。そして以下略
「ネットは狭小ですわ。」
--
以上。性格・世界改変でお送りしました。
652:名無しさんだよもん
08/03/22 18:42:47 cAiy3/1e0
し
653:名無しさんだよもん
08/03/22 19:15:27 HLSCeDUM0
ADコンプ後、怖くてSSみれなくなった俺がカキコ。