08/10/03 19:50:51 DrqyOt060
アルテミス(ONE、MOON.クロス)
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ONE、MOON.キャラ総出演による、どシリアス異能力バトルもの。
特定の主人公はおらず、登場人物全員による群像劇。
ただ、このジャンルの例にもれず、設定の部分からして、だいぶふっとんでいる。
例を挙げれば、ONEのヒロイン達はMOONキャラの娘。
開幕直後、20年前に崩壊したFARGOの残党によって日本政府はほぼ崩壊―など突拍子もないオリ設定が強い。
あとはキャラクターがよく死ぬ。それもあっさりと。
この辺、嫌な人は結構ひっかると思うので、更に読み手を選ぶと思う。
文章についても、地の文が少なくノベルゲームのように会話主体で進めるシーンが続くため、
状況がいまいち掴めないということも頻繁にあった。
全体的に勢いだけで書き進めた感じで、拙い作品ではあると思う。
ただ、そういった部分に目をつむって読み進めていくと、不思議と面白く感じるようになっていた。
話の流れに終始一貫した熱さがあるので、読んでいてテンションが上がる。
更に読者の興味を惹く形で謎が転がっているので、先が気になる。
この辺の相乗効果で、自分は一気に最後まで読み終えてしまった。
ただ惜しむらくは、クライマックスに入るのと同時に作者が一度執筆を中断したせいで、内容が竜頭蛇尾になっていること。
半年後、最終章がアップされて一応完結するのだが、最低限の伏線を消化しつつ、それなりにまとめた感じだ。
それまでのテンションを維持して、きちんとまとめていれば、もっと作品の評価は上がっていたと思う。
総論としては、書き慣れた人がきっちりと作り上げた話ではないが、何の因果か面白くなってしまった作品。
この作者はノリと勢いだけでこれだけ書けるなら、きっちり技術とかを積めば、もっと面白そうな作品が出来ると思う。
ただ書かれた時代や掲載サイトも消滅した現状を顧みるに、もうSSからは足を洗ってしまったのだろうが……。
まぁ、>>269と同様、古き良きタクティクス時代の残り香を感じさせてくれる作品だったと思う。