年の瀬のセリオさん - セリオスレ part24 -at LEAF
年の瀬のセリオさん - セリオスレ part24 - - 暇つぶし2ch1:名無しさんだよもん
07/12/28 10:26:40 Oz06nSLA0
 みぞれ模様の昼下がり。セリオさんと連れだって、お正月の買い出しにやってきた。
 戦場さながらの暮れの市場で、セリオさんは巧みに人をかきわけて、てきぱきと買い物
をこなしていく。
 たまのまとまった休みぐらいセリオさんを手伝おうと、無理についてきたのだけれど、
ぼくは手伝うどころか、お仕着せの端をつかんで、ついていくのがせいいっぱい。 
 トートバッグすら持たせてもらえず、セリオさんのりりしい背中を見ながら、しょんぼりと
傘をさして家路についた。
 寒さの増した夕暮れ時、みぞれは雪にかわっている。
「……っくちん!」
 空を見上げた拍子に雪を思いきり吸い込んで、たまらずくしゃみをすると、セリオさんは
ぼくを、きっ、とふり返って、
「マスター。だからお留守番をと申し上げたのです。
風邪などひいたら、せっかくのお正月がだいなしですよ」
「う……ごめんよ」
 セリオさんは、ふぅ、とため息をつくと、肩にかけていたショールをはずして、ぼくの
襟元に巻いてくれた。
「さぁ、これで少しは暖かいでしょう」
「うん。でもセリオさんは……」
寒くないの? と言いかけて気が付いた。セリオさんは、ロボットだ。
 ますますしょげるぼくを見て、セリオさんは、ふっ、と笑って傘を閉じると、ぼくの手
をとり、くるりと背中をつけた。
「ほら、こうすれば無問題(クス)」
「わ、わ……」
「離れてはだめですマスター。作動油が凍結して行動不能になる恐れがあります」
「うぅ……」
「もっとぴったりついてください。そう、そのまま……」
 二人、ひとつの傘の内で、ぼくの胸に押しつけられたセリオさんの背中は、ほんのりと
暖かく、懐かしい匂いがした。

【前スレ】
春風の中のセリオさん - セリオスレ Part 23 -
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